これから銀行の融資審査を受ける際に、すでに他行から借り入れがあると通りにくくなります。だから「借金があるのは内緒にしておこう…」と考えるかもしれません。
ですが、それは危険な考え方です。なぜかというと、『他行からの借り入れを隠しても確実にバレる』ので、無意味どころかさらに審査通過が難しくなります。
なぜ他行からの借り入れはバレるのか?銀行の審査で嘘が通用しない仕組みについて、詳しく触れていきましょう
なぜ難しい?複数からの借り入れが審査に及ぼす影響
最初に、『なぜ複数の銀行を利用すると審査が難しいか?』について簡単に触れていきましょう。
- すでに借り入れがあるなら返済能力が下がっているから
- 他社よりも自社を優先するか分からないから
- 貸し倒れが起きた際に回収が大変だから
すでに借り入れがある人に貸し付けるのは、総じて『返済が滞りやすいから』という部分に集中していますね。
融資は『貸し付けたお金を利息と共に回収することで利益になる』ので、返せない人に貸しても赤字になるだけです。複数から借りている人が、そうじゃない人よりも返済が遅れやすいと判断するのは、至って当然ですよね?
しかし、問題は「なんで他行の借り入れがバレるんだろう…」という部分です。次項ではその理由について詳しく説明するので、気になる人はお付き合いください。
バレる理由は信用情報機関!?融資に関わる施設紹介
他行からの借り入れがバレる原因は、『信用情報期間』が関係していると思って間違いありません。
信用情報機関とは、『私たちの融資利用に関わる情報をリアルタイムで記録する施設』のことです。金融業者のタイプによって3つに分かれており、申し込みから返済、もちろん延滞まで全て知ることができます。
その3種類については、以下のようになります。
- KSC(銀行)
- CIC(クレジットカード会社)
- JICC(消費者金融)
銀行の場合は『KSC』に融資履歴が残り、申し込まれた銀行は他行での利用も把握できるため、嘘をついても隠すことはできません。
「銀行は銀行の情報しか見られないなら、消費者金融に申し込めば良いの?」と思うかもしれませんが、実はそれでもバレます。
(⇒誰にもバレずにキャッシングはできるの?)
消費者金融も分かる?銀行との提携関係を知る
銀行と提携している会社は、銀行側が認めてさえいれば、そちらの融資利用履歴も確認できてしまいます。
特に銀行と消費者金融は提携しているケースが多く、日本最大手の二行と消費者金融の関係については、以下をご参照ください。
銀行名 | 提携関係にある消費者金融 |
---|---|
三菱東京UFJ銀行 | アコム |
三井住友銀行 | プロミス |
提携している消費者金融は『保証会社』として設定されており、主にカードローンの審査を代わりに請け負っています。その審査の際には銀行と消費者金融双方の利用状況がチェックされるので、どこに申し込んでもほぼ同じなのです。
一見すると私たちに不利益ばかりに見えますが、仮に銀行に落ちた際に「提携している消費者金融でなら借りられます」とシームレスに案内できるため、あながち悪いことばかりでもありません。
嘘をつくとどうなる?銀行の審査でだまそうとした結末
このように、嘘をつくと確実にバレてしまうのですが、仮に嘘を突き通そうとして申し込むと、どんな結末が待っているのでしょうか?
答えは簡単で、嘘をつくと融資審査で発覚し、高確率で審査落ちが決定します。
ですが、それだと「自分の勘違いでちょっとだけ借入額がずれたらどうしよう…」と不安になるでしょう。それに関しては、さすがに銀行も「一円もずらすな!」なんてことは言いません。
悪意を感じるような金額ならともかく、誤差の範囲内ならさすがに厳しい対応はしないでしょう。具体例としては、以下をご参照ください。
→総借入額が10万円だったのに対し、間違って11万円と書いた
→10万円の借り入れがあるのに0万円(借金なし)と書いた
総借入額の記入は基本的に数万円単位にて記載しますので、一万円程度の差ならとがめられにくいのです。
借入残高を忘れた人が取るべき二つの行動とは!
こうした融資の申し込みで借入総額を記入する際、「あれ?残高っていくらだったっけ…?」と忘れてしまっているケースがあります。前述の通り多少なら誤差ですが、知らないとはいっても多額の差があると、審査落ちの可能性は大きく増すでしょう。
もしも自分の借入残高が思い出せないなら、以下の二つの行動を取ってください。
- 返済時の明細をチェック
- 銀行に直接問い合わせる
融資の返済を行うと、明細が発行されます。カードローンをATMから返済すればその時に発行されますし、ネットで見られるWeb明細に対応しているなら、専用サイトにログインすればいつでもチェック可能です。
また、一番確実なのは銀行への問い合わせですね。電話や窓口で聞けばすぐに教えてもらえるし、もしも返済プランの変更などがあれば、一緒に伝えることもできます。
返済状況の把握は、融資申し込みがなくとも欠かさず、「後どれくらいで終わるか?」と常に意識して、完済まで気を抜かないでくださいね。
絶対に落ちるわけでもない?借り入れがあっても審査に通すには
先ほども軽く触れていましたが、融資申し込みでは『今現在のお借入総額』という記入欄があります。もしも「他行から借りているだけでダメです!」となるなら、そもそも聞く必要もありませんよね?
総量規制は貸金業者(消費者金融や信販会社)の個人向け融資で適用されるルールで、『最大でも年収の三分の一までしか借りられない』とされるものです。
銀行は総量規制がないため、それこそ他行との借入合計が年収の三分の一でも、まだ通る可能性があります。もちろん借り入れがあるほど審査では厳しくなるのですが、嘘をつかない限りは通過の可能性も0ではありません。
銀行だけでなく、消費者金融で借り入れがあっても同じなので、規制が不安なら銀行系を優先的に選ぶべきです。
どんな人なら大丈夫?他行借り入れがあっても通るケースについて
実際に『たとえ他行から借りていても新しい融資審査に通りやすい』のは、いったいどんな人なのでしょうか?その具体例を挙げていきます。
- 安定した職業に就いている
- 年収が多い
- 過去の返済実績が優れている
この中で特に重要なのは『返済実績』で、実際に銀行から借りて遅れずに完済できた人は、まさに「お得意様」ですね。
次に大事なのは職業で、特に『公務員』や『医師』は非常に安定していると見なされ、銀行から「借りませんか?」と誘いがあるくらいです。
そして年収ですが、もちろん多ければ多いほど有利です。しかし「年収が1000万円になるか0円になるか分からない人」より、「大体600万円で安定している人」のほうが評価は高くなるので、あくまで安定が第一と覚えれば良いでしょう。
場合によってはおまとめ優先?複数の借り入れを使う前に
総じて、『銀行の融資に申し込むなら、嘘をついてバレるよりはっきりと伝えたほうが良い』となりますね。お金が関わることについては、常に誠実さを大事にしましょう。
そして、どうせ複数の銀行で借り入れを使うなら、『おまとめローン』についても理解しておくべきです。
おまとめローンには、以下のような利点があります。
- 返済日が一日のみなので管理が楽
- 一箇所にまとめると低金利になりやすい
また、専用のローンを使わなくても、これから使うカードローンが「おまとめローンにも使えます!」と書かれていれば、相談の上でまとめることも可能です。
複数の銀行から借りて多重債務になる前に、できるだけ借入状況はシンプルにしましょう。
【参考ページはこちら】
借入の一本化はメリットがいっぱい!