カードローンを長く使う上で欠かせないのが、『増額』と呼ばれる手続きです。これは『利用できる限度額を増やす』ためのもので、借りられる枠が大きくなるほど使い勝手が良くなり、ますます手放せない一枚が作れますね。
しかし、「増額を申請するだけで増やせた!」となるほど甘くはありません。限度額を増やすには相応の審査が必要で、無計画に申請しても失敗しやすいでしょう。
『カードローンの借入額を増やすのに必要な条件とはなにか?』を説明するので、増額前にはぜひご覧ください。
カードローンを増額するなら欠かせない3つの条件
初回の申し込み時と同様に細かく審査されますが、増額で特に大事なことは3つに分けられます。
- カードローンの利用実績
- 今現在の年収
- 勤続年数
もしもこの3つの要素が優れていたら、いきなりは難しくとも、時間をかければ確実に増やしていけます。多くのカードローンでは500万円ほどが最大になりますが、そこまで増やすなら根気も欠かせません。
なお、この3つを満たしていても、今現在延滞していたり、ブラックリストに登録されていたりすれば無意味です。増額を希望したいなら『無事に借入金を完済した後』を推奨します。
以上も踏まえて、増額で大事な条件を1つずつ、より詳しく確認していきましょう。
こまめに使おう!カードローンの増額は利用実績に終始する
増額に必要な要素のNo.1といっても過言ではないのが『利用実績』で、これが優れているとカード会社から誘ってくることもあります。
利用実績について具体的に説明すると、以下のようになるでしょう。
- 定期的に融資を使っている
- 返済には遅れない
- 完済までの期間を短縮する
カードを持っているだけでは金融業者側の利益にならず、実際に借り入れることで信頼してもらえます。だから1度も利用していないのに「増額して!」なんていわれても、利益にも貢献していないので信用できませんよね?
だからそれなりの頻度で使い、返済にも遅れなければ自然と信頼は積み重なります。そうした実績が十分になってから申し込むことで、「この人にはもっと貸しても大丈夫」と判断するでしょう。
最初に軽く書いたように、実績は優れるのに自分から増額を希望しないと、金融業者から「増額してみませんか?」と誘われます。こうした勧誘がくれば、より確実に増えるでしょう。
遅れると台無し!?実績は少しのミスで無意味に
カードローンの利用実績がどれだけ大切か、ここまでの説明でご理解いただけたと思います。ただ、利用時の記録はプラスの情報だけでなく、以下のようなマイナスの情報も残されているのに注意です。
- 返済に遅れてしまう
- 債務整理を実行した
- 融資審査に何度も落ちた
特に『延滞』が理由で増額を断られた人は多く、長期間払えないと利用停止に陥る可能性もあります。
短期間の延滞なら取引停止こそありませんが、遅れてしまったことから「このままの利用ならともかく増額は見送ろう」と考えやすくなるため、限度額を増やしたいなら普段からの意識が大切です。
「プラスの実績が多い場合はマイナスが帳消しになるの?」と思うかもしれませんが、残念ながらマイナスのほうが優先してチェックされます。積み重ねた実績を守るためにも、返済日は厳格に守りましょう。
やはり重要?年収が及ぼす増額審査の影響とは
融資といえば年収ですが、もちろん増額審査でも欠かせません。特に『総量規制』が影響するカードローンを使っているなら、この数値が限度額にも関わります。
(⇒カードローンで借りられる金額はいくら?)
たとえば年収が300万円で現在のカードローンが50万円の限度額なら、増額希望はあと50万まで…といった具合ですね。これは嫌がらせではなく借りすぎの防止が意図なのですが、フリーターなどで収入が少ないと気になる点でしょう。
この総量規制は消費者金融や信販会社などの『貸金業者』に適用されるため、銀行のカードローンなら実は制限がありません。年収に自信がないなら、そちらに申し込むほうが安心感はありますね。
ただ、総量規制がない銀行でも年収の数値は重要視しており、実際に3分の1以上借りられるかは分かりません。増額したい金額が大きいなら、年収も結果的には欠かせないでしょう。
年収が増えたら申告しよう!増額前の注意点を知る
仕事を頑張って年収が増えた場合、カードローンの増額チャンスも同時に訪れます。「年収も増えたし一気に増額しよう!」と申し込むかもしれませんが、ちょっと待ってください。
年収の数値が変化しても申告しないと、収入に変化なしのまま審査されてしまい、せっかくのチャンスが無駄になります。
利用実績はリアルタイムで相手も把握できるのですが、こちらの個人情報の多くは申告制となっており、変化があれば都度の連絡が必要です。その連絡手段については、以下のようなものがあります。
- 電話での連絡
- メールでの連絡
- 専用ページにログインしての申請
ネットからの申し込みに対応しているカードローンなら、ログインしての申請がとても楽です。すぐに情報も反映される上にそのまま増額の申し込みもできるため、大きく手間も減るでしょう。
申告は不要?増額審査で扱われる勤続年数について
3つめに『勤続年数』です。もしも大金を借りたいなら、長期の勤務歴が欠かせません。
ただ、勤続年数については申告の必要はなく、初回審査で伝えた内容から逆算できるため、転職をしていない限りは楽な要素です。
なぜ勤続年数が重要なのかといえば、『長く勤務していると今後の失職リスクが低いから』ですね。勤務が長いほど会社にとっては欠かせない人材であるため、融資をする上でも信頼につながります。
さらに、『会社自体が安定している』という目安にもなるでしょう。貸し付けている相手の会社が倒産すれば、今後の返済に影響があるのは当然で、安定した会社に勤めているほど高く評価します。根気強く仕事を続けていると、こうしたメリットもあるわけです。
利用実績や年収と違い、この勤続年数はほぼローリスクで良くなっていくのですが、『転職』をした場合は注意が必要ですね。(こちらもご参考に→キャッシングをするための職業)
不利?それとも有利?転職が与える増額審査への影響
転職をしていた場合は大抵不利になりますが、状況によっては有利になる可能性もあり、どちらにせよ増額前には申告が欠かせません。
もしも転職前の勤続年数が長ければ、転職後の増額審査で不利になります。仕事が変わった直後は年収も下がりやすいですし、金融業者の判断は妥当でしょう。
ただ、以下に該当する場合、一概に不利ともいえません。
- 非正規雇用から正規雇用になった
- 転職前の勤続年数が短かった
- 公務員などの非常に安定した職業に変わった
バイトから正社員に、もしくは公務員などの評価が高い仕事に転職した場合、「非正規状態と違ってこれから長く勤める可能性がある」と判断され、増額審査での不利を打ち消すこともあります。
この評価は業者ごとの裁量次第ですが、以前と現在の状況を照らし合わせ、「増額審査にはいつ申し込むべきか?」を考えてみましょう。
限度額以外にも恩恵が?カードローンで増額したい理由
ここまでの説明通り、増額したいなら注意すべき点も多いため、「別に限度額は少なくていいし、増額なんてどうでもいいや…」と考える人も出てきます。
ですが、例え少額融資しか使わなかったとしても、増額には大きな恩恵があるのです。
たとえば『みずほ銀行』のカードローンだと、以下のような段階で金利が下がります。
限度額 | 金利 |
---|---|
10万円以上100万円未満 | 14.0% |
100万円以上200万円未満 | 12.0% |
200万円以上300万円未満 | 9.0% |
300万円以上400万円未満 | 7.0% |
400万円以上500万円未満 | 6.0% |
500万円以上600万円未満 | 5.0% |
600万円以上800万円未満 | 4.5% |
800万円以上1,000万円以下 | 4.0% |
最大限度額を借りるのはどんな会社でも難しいですが、ここまで金利が下がると考えたら、狙う価値は十分あるでしょう。
【参考ページはこちら】
増額申請より確実?審査が甘いカードローン