複数の金融機関から借り入れがある人は、おそらく少なくないと思います。悪いことではありませんし、返済に困っていないのなら、賢く利用している証拠です。
しかし複数の借入があると、新しい借入を断られることがあると言われています。噂では、ひとつでも他の金融機関から借入があるだけでもNGだという話もあるほどです。
複数の借入があるというだけで、新たな借入ができなくなっては不便極まりないですよね。本当かどうか、徹底検証してみましょう。
どうしてダメなの?複数の借入の評判の悪さ
金融機関側からすれば、他の金融機関で複数の借入がある人には、できるだけお金を貸したくないというのが本音のようです。これは中小の金融機関から、超大手の消費者金融や銀行まで、共通した本音と言えるでしょう。
- 借入額が膨らみすぎて返済に困る恐れがある
- 最初から貸し倒れ(借り逃げ)される恐れがある
マイナス要素ばかりを考えてしまいますが、やはりお金はデリケートなものです。返済に困った人から無理な取り立てをすれば違法となりますし、返すつもりもない人に貸すわけにもいきません。
貸金業法が強化され、厳しい取り立てが不可能になっている昨今、金融機関側が審査を厳しくしてしまいがちです。ことに複数の借入に対して警戒心を持つのは、ある意味仕方ないと言えるのではないでしょうか。
黙っていても無理!信用情報機関で全て明らかに!
複数の借入があってもまだ借りたい……そんな時、ちょっとした出来心で、申し込み用紙に嘘を書いてしまいたくなったことはありませんか? そう、「他社からの借入」という項目に、ついつい0円と記入したくなったことが……!
信用情報機関は複数あります。ここで金融機関は全てのチェックを行います。もしもあなたがご自分の情報に関して不安を持ち、詳しく知りたいと思ったら、信用情報機関に申請すれば情報を開示してもらえますよ。
機関名 | 登録対象 |
---|---|
全国銀行個人信用情報センター(KSC) | 銀行、信金、信組、農協 |
株式会社 シー・アイ・シー(CIC) | 信販会社 |
株式会社日本信用情報機構 | 消費者金融 |
あなたが過去に利用したことのある種類の金融機関はどれですか? 該当の信用情報機関に情報が登録されていますので、チェックする時はそれぞれに問い合わせをしましょう。銀行や消費者金融に新しい申し込みをする前に調べておきたいですね。
複数借入は大嫌い…銀行の厳しさ!
銀行は特に、複数の借入を嫌うと言われています。お堅いイメージのある銀行ですので、それはさもありなんというところでしょう。その理由としては、やはり貸し倒れなどの心配が挙げられます。
特に銀行は、その資金を顧客の預金に頼っています。回収不能になった貸し倒れは、そのまま顧客の損害になってしまいます。銀行側としては、それだけは避けたい事態と言えるでしょう。
複数の借入があり、その額が大きいと思う人は、銀行での追加融資は諦めておいた方が無難かもしれません。申し込むのは好き好きですが、審査に落ちたという情報が残されるリスクも考えておきましょう。
(⇒複数借り入れは審査に落ちる原因に)
絶対に借りられない?抜け道はこれだ!
複数の借入がある場合、絶対に借りられないのでしょうか? 絶対に、と言うと、少し違うと言えるかもしれません。その金額によっては借りられる可能性もあります。
そもそも、複数の借入が嫌われるのは、その返済が大変になってしまい、最終的に貸し倒れになるのではないかという危惧からです。裏を返せば、その心配がなければ借りられるということですよね。
消費者金融なら総量規制を考えて!
消費者金融には総量規制という決まりが適用されます。
- 貸金業(消費者金融など)は利用者に年収の三分の一以上を貸し付けしてはいけない
- 利用者は貸金業から年収の三分の一以上を借りてはいけない
大変シンプルな決まりですが、これがなかったら、消費者金融業界は大変なことになってしまっていたことでしょう。業者は無限に貸付ができますし、利用者も無限に借入ができます。それを制御する決まりがこの総量規制です。
複数の借入があっても、総量規制にまだまだ余裕があれば、新しい借入が可能な消費者金融は多々あります。はっきりとした金額が分かるので、利用する側としても、はっきりとした基準が分かって良いですよね。
収入に余裕はありますか?あるなら借入OKかも!
他にも、借入をする時に重要なのは年収(収入)です。総量規制の計算があるように、どんな時でも収入の話はつきまといます。
複数の借入に関することでも例外ではありません。借入額に対して、収入に余裕がある場合、複数の借入があっても新たな借入ができるケースがあります。簡単にまとめると以下のようになります。
- 総量規制まで余裕がある時
- 借入額に対して収入に余裕がある、返済能力があると判断された時
複数の借入がある上での新たな借入申し込みのポイントは、この二点に尽きるでしょう。結局は余裕を持った返済ができるかどうかが、審査における鍵なのかもしれません。
困った時は…中小の消費者金融を狙うのもあり!
複数の借入のために、銀行や大手の消費者金融に申し込んでも全滅してしまった……という人もいることでしょう。本人としては心配ないつもりでも、やはり機械的に処理されることが多い銀行や超大手の消費者金融では、新たな借入は難しいかもしれません。
そんな時には中小の消費者金融を狙ってみてはいかがでしょうか。大手の消費者金融と違い、大々的な宣伝はしていませんが、確実に町の中にありますし、もちろん怪しげな会社でもありません。
その多くは長い期間、地元密着で堅実な営業を続け、しっかりした地盤をもとに、大手よりも小回りのきく消費者金融として愛されている会社がほとんどです。
個別の事情も聞いてくれるかも?中小ならではの付き合い方
中小の消費者金融は、大手のように大掛かりなシステムが構築されていません。ネット申し込み程度であれば対応しているところも多々ありますが、ほとんどはいまだに書類でのやり取りや、対面での受け渡しになります。
大手の便利さに慣れている人は、はじめは鬱陶しく思うかもしれませんが、顔を知っているからこその良い面も考えられると思いませんか?
どう探す?中小消費者金融の探し方
中小の消費者金融は、大手と違って大々的な宣伝をしているわけではありません。
- 雑誌、タウン誌の広告(比較的小さめ)
- 投函チラシ
- 地元の口コミ
広告を出しているところもありますが、その規模は大抵が小さめです。普段であればつい見逃してしまうかもしれません。特にタウン誌に広告を出している会社が多いので、手に取る機会があれば、ぜひチェックしておきましょう。
複数の借金が嫌になったら一本化!
複数の借入をし、返済を上手にコントロールできているとしても、一ヶ月に何度もやって来る返済日にうんざりしたり、それぞれの金利に溜息をつきたくなることがあるかもしれません。そんな時には借金の一本化の手段を取ってみてはどうでしょう。
借入形態 | メリット | デメリット |
---|---|---|
複数の借金 | 小分けに返済できる (まとまった金額でなくても良い) |
金利で利息が膨らむ |
一本化 | 月に一度の返済で済む 利息が安くなる |
返済期間が長くなりがち |
一本化した場合としなかった場合を比較すると、このようなメリット・デメリットが考えられます。一本化せず、一度に大きな返済金額を用意することが難しい人は、複数のまま払って行きたいと思うかもしれません。しかし金利も複数あるため、利息が膨らみがちです。
対して一本化した場合、金利が計算され直されますので、支払う利息が安くなります。また、支払いも一ヶ月に一度で済むことになり、精神衛生上も良いことだと言えます。ただ、返済期間が長くなりがちであることは否定できません。
どちらが良いか、悪いかは、個人の感覚によりますが、多くのケースでは一本化を勧められることが多いのも事実です。複数の借金が嫌になったら、ぜひ前向きに考えてみたい手段ですね。
一本化はお早目に!余裕があるうちに申し込みを!
借金の一本化は、「おまとめローン」などの名称で銀行や消費者金融から提供されています。つまり、カードローンやキャッシングと同じ扱いなのです。申し込みにはきちんとした書類が必要ですし、審査もあります。
ここで気を付けて欲しいことは、「借りる余裕があるうちに」申し込みをするということ。返済に困って遅延や延滞が発生してしまうと、それだけで審査に悪い影響を与えてしまいます。最悪、審査に落ちてしまうこともあります。
借金で首が回らなくなる前に、一本化をしてしまいましょう。債務整理とは違いますので、クレジットヒストリーに傷がつくこともありませんよ。
一本化成功で新たな借入も可能に!
債務整理ではなく、あくまでも商品としての一本化を利用すると、事実として「複数の借金の数が減った」ということになると気づいた人も多いのではないでしょうか。
そうです、一本化に成功することによって、新しい借入ができる可能性も飛躍的に増大するわけです。とはいえ、注意点がないわけではありません。
- 借金の数は減ったが総額が減ったわけではない
- 一本化の性質上、返済トラブルはふつう以上に厳しく評価される
こういった厳しい面が出て来るのも確かです。とはいえ、どれも気を抜かなければ問題のないことばかり。計画的に利用して、信用を積み上げていけば、全く問題ないと言えるでしょう。頑張って、計画通りに返済して下さいね。それが新たな借入の第一歩です。
【参考ページはこちら】
複数借り入れ返済のコツを教えて!