お金を借りる上で一番避けたいこと…それが「ブラック」です!
ブラック属性になってしまうと、新たな借り入れが出来ないどころか、現在お金を借りている場合一括で返済を要求されることだってあります。
正直いうとお金を借りる予定がある・ないにかかわらずなりたくないものが「ブラック」ですが、思いがけず自分がブラック属性になってしまった…という方もいるかもしれません。
しかも、その状態でお金が必要になってしまった…なんて大ピンチな場合も。実際、ブラックになってしまったら銀行のカードローンなど借りられる可能性はあるのでしょうか?
ブラックでは銀行カードローンは絶望的?抜け道がない理由とは
基本的にブラック属性では銀行のカードローンはもちろん、消費者金融のカードローンどちらも簡単に利用することは出来ません。
ただ、「確かにブラックになってしまったら借りられないだろうけど、別のところからなら大丈夫じゃないの?」と思う方もいるでしょう。
ですが、残念ながら一度ブラックになってしまうと、ブラックになった原因の会社以外の会社でもお金を借りるのは非常に難しいんです。
ブラックになった原因などはすべて共有されている
Aという会社でブラックになっても、別の会社Bでなら借りられる…というのは甘いです。多くの場合、Bでお金を借りることは出来ないでしょう。
その理由は「信用情報」と「共有」にあります。
信用情報とは、その人のお金の借り方を記録したようなもの。もしあなたがブラックになった場合、
- ブラックになった原因
- ブラックと登録された日付
- ブラックと登録した会社
- その会社での借り入れ・返済履歴
といった情報がしっかりと記録されています。
そして、その情報は複数の会社で共有されます。これは会社同士の独自のネットワークというわけではなく、きちんと第三者機関である「個人信用情報機関」というところが管理しています。
そのため、Aという会社があなたをブラックとして登録した場合、その情報は会社Bでも閲覧することが出来るため、申し込んでも審査で落とされてしまうということですね。
しかも、一般的に消費者金融のカードローンに比べると銀行のカードローンの方が審査が厳しいです。これは多くの方が知っていることですよね。さらにブラックになってしまうと…その可能性は限りなく低いといっても過言ではないでしょう。
ブラックになる原因とは?意外なものも含まれていた!
ブラックになる原因の8割以上は自覚出来るものではありますが、中には知らない間にブラックになっている…というケースもないとは言えません。簡単ではありますが、ブラックの要因について少し解説したいと思います。
ブラックの原因としてメジャーなものといえば
- 返済の滞り
- 債務整理
の2つでしょう。返済の滞り、いわゆる「延滞」はブラックの基本(?)ですね。延滞というくくりで言えば返済日、あるいは引き落としのタイミングから1秒でも遅れたらその瞬間から延滞ということにはなりますが、それだけですぐ信用情報にブラック情報として登録されることはありません。
信用情報に「異動(事故)情報」として記載されるのは延滞してから約2~3ヶ月後前後と言われています。しかし1週間程度の延滞であっても、毎回延滞を繰り返す、以前に1ヶ月以上延滞したことがあるといった「常習犯」の場合はそれよりも早く情報が登録されることもあります。
また、銀行カードローンには保証会社がついているため、延滞が続くと「代位弁済」が行われることがあります。
ただし、債権が移るだけであって返済をしなくていいわけではありません。お金を返す相手が変わるだけです。
続いては債務整理。いわゆる「自己破産」や「任意整理」、「個人再生」などにより借りているお金の返済額を減らしたり、チャラにした場合も信用情報上はブラックになります。
これらはブラック入りの原因としては非常に一般的で、ご存知の方も多いと思います。
しかし、それ以外に
- 一度にかなり多くのカードローンに申し込む
- 携帯電話の料金支払いの延滞
も、ブラックになってしまう原因となります。
前者はいわゆる「申し込みブラック」と言われるもので、短期間に多く(6~8社程度)のカードローンに申し込みをした場合、お金を借りて返済をしない(踏み倒し)の可能性があると見られて敬遠されてしまうもので、実質のペナルティは他のブラックに比べると非常に低いです。
対して後者の携帯電話の料金支払いの延滞。こちらは延滞事態は悪いことではあるものの、信用情報とは一見何も関係がないように思えます。しかし実は関係大アリ!
最近は携帯電話、あるいはスマホの端末は一括ではなく分割払いで携帯電話の通話料金と一緒に支払うことが非常に多いです。それが割賦契約(分割払い契約)となり、支払わないとカードローンの延滞と同様の扱いを受けてしまうんです。
信用情報をきっちりと把握すれば、借りられる可能性もある!?
しつこいようですが、ブラックになってしまうと、まずお金を借りることは出来ません。
しかし、非常にまどろっこしい言い方になってしまいますがブラックになっていても、もしかしたら借りられる可能性もない…とはいえません。
そのためにはしっかりと自分の信用情報を把握しておく必要があるんです。
自分の信用情報はどこに登録されているか、チェックしてみよう
日本には
- 株式会社日本信用情報機構
- 株式会社シー・アイ・シー
- 全国銀行個人信用情報センター
という、3つの信用情報機関があります。
それぞれ加盟資格などがあり、例えば全国銀行個人信用情報センターは銀行や信用金庫でないと加盟できない、といった違いがあります。
この3つの信用情報機関は相互で一部の情報を共有しているため、先ほども書きましたが自分にとって不利な情報(延滞の経験など)を隠していてもバレてしまう、ということなんですね。
ところでこの信用情報、自分で請求することが出来るんです。
いずれも500円程度の手数料で、自分の信用情報がどのように記載されているのか確認が出来ます。ブラックになっていると思っていたら実はなっていなかった、逆にブラックではないだろうと思っていたらブラックだった…なんてことがあるかもしれません。
知ってた?登録される信用情報は機関によって違う!
先ほど債務整理はブラック属性の中でもメジャーなものと記載しました。しかし、信用情報機関によっては記載しない場合もあるんです。
信用情報機関名 | 自己破産 | 個人再生 | 任意整理 |
---|---|---|---|
日本信用情報機構 | 5年 | 5年 | 5年 |
シー・アイ・シー | 5年 | 記載なし | 記載なし |
全国銀行個人信用情報センター | 10年 | 10年 | 基本記載なし |
このような違いがあります。年数も違えば、記載するかどうかも違いますよね。
任意整理を行ったところが「シー・アイ・シー」にしか加盟していなかった場合、他では借りられる可能性がある…というわけです。ブラックであっても、銀行カードローンを借りられるチャンスがあるかもしれません。
ただしこれは非常に稀なケースとも付け加えておきます。なぜなら、銀行系カードローンの場合、3つの信用情報機関をきちんとチェックするからです。任意整理を行ったカードローン会社以外にもクレジットカードを利用していたりすると、そちらから情報が入ることも…。
自分の信用情報をチェックして登録抹消間際なら待つのが最善
自分の信用情報を開示してもらった場合、いつ異動(事故)情報が登録されたのかわかるはずです。情報が残る期間があと僅かで終わる場合、慌ててブラックでも申し込むことが出来るカードローンを探すことはせず、おとなしく待つのが最善と言えます。
なぜなら、多くの会社はブラック情報があるだけで審査に落とすからです。当然ですよね、ブラックになるほど信用がないということですから。
20代~30代の方なら問題ないかもしれませんが、40代以上となると、一度もクレジットカードを使ったことがないという方は珍しいでしょう。
そのような履歴も真っ白になってしまい、いわゆる「ホワイトすぎる」履歴になってしまうため、「過去に金融事故を起こしたのではないか?」と警戒されることもあります。これは、実際金融事故を起こさず現金主義だった方も同様です。
ブラックの質によっては借りられる可能性もある!?そのヒミツ
これまで説明してきましたように、ブラックとひとまとめに言っていますがその内容は実は様々です。
そして、ブラックの質・内容によっては一般的に「ブラック属性」となっている方でも借りることが出来る可能性はあるんです。
どのような理由で「ブラック」になったのかが重要
どうしてブラックになってしまったのか?という理由と、その内容が最初のポイントです。
同じ「延滞」というブラックであっても
- 数ヶ月以上返済していない
- 1週間程度の延滞を繰り返す
では、後者の方が返済が毎回遅れるものの、きちんとお金を返すことはできていることがわかります。前者は踏み倒しといってもいい感じですよね。
後者のような形でブラック属性となった場合、延滞してもその後返済が行えていることがわかっていると、ブラック属性であってもお金を借りることが出来る可能性があるんです。
ただし申し込みすぎは禁物。せいぜい2~3件までにとどめましょう。
場合によっては債務整理後でも借りられる可能性も
自己破産や任意整理などは、ブラックの中でも一番重いイメージがありますよね。実際記録される期間も最大で10年とかなりの長さです。
しかし、債務整理を行い、その記録がまだ残っているような方でもお金を借りることが出来る可能性もあります。
次のポイントは「どの会社で借りてブラックになったか」!
どちらも、ポイントは「どの会社でお金を借りてブラック属性になったか」が重要です。
例えばあなたが友人にお金を貸したとして、返すと言っていた予定を破りまくると、最終的にお金が返ってきたとしてももう二度と貸したくない!って思いますよね。
それと同じで、債務整理なり延滞なりブラック属性がつくような行為を行った会社は、もう二度とお金を貸してくれない可能性がとても高いです。信用情報からブラックの情報が消えたとしても、社内ブラックリストに名前が乗っているようなイメージですね。
逆に言えば、その会社以外なら借りられる可能性もあるんです。
注意点としては、銀行カードローンと消費者金融カードローンの一部はグループ会社だということ。
銀行 | 消費者金融 |
---|---|
三菱東京UFJ銀行 | ・アコム |
三井住友銀行 | ・プロミス ・モビット |
レイク | ノーローン |
しかし、ノーローンやレイクでは借りられる可能性もある…と言えます。
ただし銀行カードローンは難しめ。消費者金融のほうが狙い目
このような場合でもお金を借りられる可能性はありますが、銀行カードローンとなるとやはりブラックというだけで審査に落とされる可能性の方が高いので非常に難しいと言えます。
しかし、消費者金融であればブラック情報があっても(きちんと返済をしているのなら)お金を貸してくれる…というところもあります。
大手の中では「アコム」がブラックであっても利用可能といった情報が多いので、上記の表を参考に、借りたところがアコム(三菱東京UFJ銀行系列)と関わっていないかチェックしてみましょう。
ダメ元で申し込んだら意外と審査に通る可能性があります。
ブラックでも申し込めるかも?条件まとめ
これまでの条件などをまとめると
- 延滞の場合、きちんと返済(完済)している
- 債務整理の場合、その対象に申し込む会社のグループが含まれていない
ことが申し込むための前提条件といえるでしょう。
もちろんこれが守れているからといって借りられる保証は全くありませんが、まだ可能性はあると言えます。
それでも銀行ローンがいい!なんとか借りる方法はないの?
ここまでの状態で「それでも銀行ローンがいい!」と考える方は非常に少ないとは思いますが、それでもこだわりたいという方が、なんとかお金を借りる方法がないか…と考えてみました。
ブラック属性になっていても借りられる可能性がある銀行ローン、それは「おまとめローン」でしょう。
おまとめローンはメリットがあるの?
おまとめローンを考えたこともなかった!という方もいるかもしれませんので、簡単におまとめローンの説明をしておきたいと思います。
おまとめローンとは、複数の会社から借りているお金を1つの会社で借り換えし、毎月の返済の負担を少なくするものです。
負担が少なくなるため利息もお得になる!と単純に考えがちですが、まとめた分返済期間が長くなりますので、最終的に支払う(返済する)利息はまとめる前よりも多くなる…ということもあります。下の表はざっくばらんな例ですが、イメージとしてはこのような感じですね。
もちろんまとめることで返済月数も圧縮できることがありますので必ずこうなるとも限りません。
おまとめあり | おまとめなし | |
---|---|---|
毎月の返済金額 | 5万円 | A社…2万円 B社…1万円 C社…3万円 D社…1万円 合計7万円 |
完済までの月数 | 40ヶ月 | A社…12ヶ月 B社…20ヶ月 C社…30ヶ月 D社…16ヶ月 |
ネット申し込みでは審査に落ちてしまう可能性が高い
債務整理をするまえにおまとめローンにしてみたらいい、という意見もよく見られます。実際おまとめローンにすることで債務整理を逃れた方も多いと思います。
が、それはブラックになる前の話。債務整理によってブラックになる方はおまとめローンを利用することはないと思いますので、可能性として考えられるのは延滞によりブラックになった方のおまとめローンということになります。
そんな方がネットからの申し込みをしたとしても、「延滞してるじゃないか!」と審査に落ちてしまう可能性は非常に高いです。
いくらおまとめ…といっても、実質は借りているお金(+利息分)を借り換えるわけですから、お金を貸す銀行側もリスクはなるべく背負いたくありません。となると、ブラック属性、とくに延滞の場合は「どうせ貸しても延滞するでしょ」という判断になってしまうのは仕方がないことです。
おすすめなのは「窓口で相談する」こと
そこで、銀行の窓口やローン相談会などの際におまとめローンの相談をするのがおすすめです。
「もう少し返済額が少なければ延滞することもない」「まとめられたらきちんと完済まで持っていけそう」ということをここぞとばかりにアピールしてみましょう。
顔を見て相談することでその人の事情を銀行側の方が汲んでくれて、融通を利かせてくれる可能性もあります。機械的な審査で落とされてしまう方でも、可能性がちょっとばかり上がるのではないでしょうか。
また、現在延滞しているのならきちんと返済して延滞を解消しておくことも重要なポイントです。流石に3ヶ月以上踏み倒したままの方が「おまとめローンすれば大丈夫!」といっても信じてくれる人は非常に少ないですからね。
ブラックの方が銀行の「カードローン」を利用するなら守りたいポイント
おまとめローンじゃなくて、カードローンが利用したいんだ!という方もいると思います。むしろこちらの方が多いでしょう。
ブラック属性の方の利用…と考えてみると、まず延滞の方は間違いなく無理でしょう。さらに負債を増やしても返済なんて出来ないだろうという、単純な理由です。
次に債務整理でブラックになった場合を考えてみましょう。こちらもすぐであれば利用はできませんが、信用情報機関に登録された情報が消える付近…具体的に言えばブラック情報が登録されてから4~5年くらいであれば可能性は出てくるでしょう。
こういった方がカードローンでお金を借りたいと思うなら、以下のポイントを守りましょう。
- 申し込む予定の銀行に口座を開設しておく
- その口座をメインバンク(給与振込の口座など)として使う
- 希望額は10万円以下に抑える
重要なのは2つ目と3つ目です。狙っている銀行の口座をメインとして使用することで、おおまかなお金の流れがわかります。きちんとお給料が振り込まれていることがわかりますので、安定した収入があることを銀行側にアピールしやすく、かつ銀行側は確認しやすい形となります。
そして、希望の利用限度額は10万円以下とかなり少なめに抑えましょう。少ない額を希望することで貸し倒れの可能性を下げ、融資をしやすくしてもらいます。
とはいえこれらをすべてこなしたとしても、ブラック属性というだけでカードローンの審査に落ちてもおかしくありません。それほどまでにブラックは嫌われる…ということですね。
ブラックになるのは理由がある。受け止めて消化することが大事!
「知らない間にブラックになっていた」ということは基本的に存在しません。あっても申し込みブラック程度だと思いますが、こちらは厳密にはブラック属性とは違いますから、やはり自分のあずかり知らぬところでブラック属性になっていることはないと言えるでしょう。
「たった数回延滞しただけなのに」「ちょっとあの時はお金がなかっただけ」…といった言い訳をしたくなるかもしれませんが、結果的にブラック属性となってしまったら、もうそれをなくすことはできません。
ブラック属性に一度なってしまうとお金を借りることもできなくなり、クレジットカード1枚作ることもできなくなります。非常に不便ですし契約違反をしていることになるので、ブラック属性になってはいけないんですよね。
それでもなんとかしてお金を借りたい!という気持ちはとてもわかりますが、まずはブラック属性になったことを受け止めましょう。延滞しているのであれば少しでも返済をし、債務整理をしたならお金が必要でもガマン。
ブラックになってもお金が必要だからと、銀行カードローンに手当たり次第に申し込んだり、ヤミ金からお金を借りる…というのはおすすめしません。
きちんとお金と付き合っていれば銀行ローンも利用できます。まずはブラック属性になったことを受け止め、それを消化してから改めてお金を借りることを考えましょう。消化している間に、カードローンが不要になっているかもしれませんよ。
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