融資ではさまざまな条件を見ますが、多くの人が注目するのは『金利』の数値でしょう。これは安いほど支払う利息が軽減されるので、どうせお金を借りるなら、とにかく低金利を目指したいですね。
ただ、この金利は「どうすれば安くなるの?」とか、「どんな法則で変化するの?」という疑問を持ちやすいです。自分の負担に関わるから当然ですが、初めて融資を受ける場合、どんな法則性があるか分かりにくいでしょう。
そこで今回、『金利はどのようにして変化、そして決定するのか?」をご説明いたします。金利について熟知すれば、今よりもお得に借りられるので、融資を使うなら一度はチェックしておきましょう。
融資の金利を決定する要素はコレだ!
融資の金利を決定する要素は主に三つに分かれ、『業者』『金額』『借り入れ方法』になります。
これら以外にもありますが、特にカードローンなどの現金融資を使う場合、大事なのは上記の点です。カードローンは現金融資の中でも使いやすく、以下のような利点があるから使う人は多いでしょう。
- カード一枚でいつでも融資が受けられる
- 限度額内なら好きな金額を自由に借りられる
- 用途自由なお金なので好きなことに使える
やはり『カードを持ってさえいればいつでも借りられる』のが最大の利点で、借りる度に審査を要求される融資を使っていたなら、その利便性に驚くかもしれません。
そんなカードローンの金利が低いとさらに役立つので、金利決定の法則についてもっと理解を深めておきましょう。お得な金利で借りるには、相応の知識も必要です。
(⇒カードローンの金利は複利?)
銀行がお得?業者で異なる利息の水準について
それではまず『業者による金利の違い』ですが、以下の表をご覧ください。
会社名 | 業者の種別 | 金利 |
---|---|---|
三菱東京UFJ銀行 | 銀行 | 4.6%~14.6% |
三井住友銀行 | 銀行 | 4.0%~14.5% |
みずほ銀行 | 銀行 | 4.0~14.0% |
アイフル | 消費者金融 | 4.5%~18.0% |
アコム | 消費者金融 | 3.0%~18.0% |
プロミス | 消費者金融 | 4.5%~17.8% |
消費者金融は金利以外にも利点はありますが、なぜ銀行と消費者金融で金利が違うのか、その理由を詳しく見ていきます。(こちらもご参考に→キャッシングの利息についてもっと詳しく)
審査難易度が関係!?銀行と消費者金融の違いはここにある!
意外に思えますが、銀行と消費者金融の金利の差は、『融資審査の難易度』が関係しているのです。一見して無関係に感じますが、中身はそんなに単純ではないのです。
もしも貸したお金を回収できなければ、金融業者は赤字になりますよね?その時に低金利で貸しているほど損害も大きくなるので、事前に金利を高くしておけば、その損害額も小さくなるでしょう。
「銀行が低金利だから銀行以外で借りるのは意味なし?」と思うかもしれませんが、そもそも融資審査に通らないとお金は借りられませんので、消費者金融にだって強みはあります。
金利と審査難易度を秤にかけて、自分にとってどちらが大事なのか、それを考えてから借り入れ先を選びましょう。
大金を借りるほど低金利!?法律による利息制限を知る
カードローンの条件を見ると分かりますが、金利にも幅があるように、限度額にも幅がありますよね?これは金利の数値と密接に関係しており、片方の変動でもう片方にも影響があるのです。
原則として『借入額が大きいほど金利の数値は低くなる』のですが、これには『法定金利』という、法律によって定められた上限が関係しています。
法定金利とは、『借入額によって設定される利息の上限を定める』もので、そのルールは以下のとおりです。
借入額 | 金利 |
---|---|
10万円未満 | 20% |
10万円以上100万円未満 | 18% |
100万円以上 | 15% |
大抵のカードローンでは10万円以上からなので、高くても18%までとなります。もしもこの法定金利を超えて請求されていたら、違法業者なので返済義務はありません。
また、100万円からは常に15%というわけではなく、融資の条件を見れば分かるように、そこから段階的に下がっていきます。これは何故でしょうか?
金融業者にとってもお得?利息が法定金利以上に下がる理由
金融業者にとっては、15%以上下げるメリットがなさそうですが、良く考えてください。例えば500万円借りても15%のままだと、利息だけで年間75万円も取られてしまい、利用者は一向に増えないでしょう。
分かりやすくするために、利息の計算例をご覧ください。
10万円×18%÷365×180=8876円
100万円×10%÷365×360=98630円
このように、大金ほど返済に時間がかかることも考えると、利息を下げておく方が金融業者にとってはプラスです。もちろん、私たちも低金利で借りられるので、文句はありませんよね?
カードローンは高い!?借り入れ方法で変動する利息の差
最後に『借り入れ方法』についてですが、今回メインで紹介しているカードローンは、実は金利が高めの方法になります。
何故カードローンの金利が高く付くかといえば、『無担保融資』だからです。担保の仕組みについてはご存知ですか?
担保とは、返済が不可能になった際に、借り入れ先に損害の補填として渡すものです。主に家や車、一部の高額な貴金属なども該当し、無担保の場合はこれらの用意が不要になります。
無担保の場合はその人の信頼もそうですが、貸し倒れ時の保証料も利息に含まれるので、カードローンは負担が多いのです。
その分即日融資にも対応しますし、担保になるものがなくても融資をしてくれるので、「金利が高いカードローンは悪徳だ!」とは非難できないでしょう。
ほとんど有担保?低金利の融資は利用状況が限られます
それでは、低金利な融資にはどんなものがあるのでしょうか?
- 住宅ローン(家が担保)
- 車ローン(車が担保)
- 事業者ローン(主に不動産が担保)
これを見れば分かるように、低金利なのはほぼ全てが有担保で、使える状況や人が限られてしまい、低金利の恩恵は案外感じにくかったりします。
それに加え、有担保ローンのほとんどは数百万から数千万単位での借り入れです。そうなると先ほど話したように、『低金利でも借入額が大きいので利息も増える』ので、小口融資のカードローンとそこまで差を感じられません。
一応現金融資でも有担保系がいくつかありますが、担保の用意から審査時間もあり、すぐに対応してもらうのは難しいです。カードローンの金利は高いと文句をいうよりも、利便性のコストとして割り切りましょう。
有担保と無担保の融資を使い分けて、状況に合わせた借り入れを行ってください。
同じ金融業者でも違う?複数の融資プランを比較しよう!
金利の法則は以上となり、これらを踏まえて使う金融業者を選ぶべきですが、実は『金融業者の用意しているそれぞれのプランでも金利が違う』のは知っていましたか?
例えば消費者金融として有名で、先ほども軽く触れたアイフルでは、二枚のカードローンが存在しています。
融資プラン名 | 限度額 | 金利 | 特徴 |
---|---|---|---|
キャッシング専用アコムカード | 最大800万円 | 3.0%~18.0% | 融資機能のみのカード |
ACマスターカード(カードローン付き) | 最大500万円(ショッピング枠と合計した数値) | 10.0%~14.6% | 買い物にも使えるカード |
単純な金利でいえばキャッシング専用の方がお得になりますが、ACマスターカードならクレジットカードも付帯するため、買い物もしたい人にはおすすめです。
このように、金融業者でも複数の融資プランを用意しているなら、ちゃんと比較しないと良い金利にも巡り会えません。自分が何を求めているか、どれくらいの金利なら我慢できるか…それらを勘案し、最高の融資を受けてみましょう。
【参考ページはこちら】
借入利息は単利と複利でこう違う!