今回は、「借入希望額によってカードローンの審査は甘くなったり辛くなったりするのか」というシンプルなテーマについて考えていきます。
「そりゃあ、希望額が少ないほうが借りやすいに決まっているよ」と言うのは簡単なのですが、カードローンの審査はそれだけでは済まない部分もあるんです。
ここでは希望額だけでない、いろいろな要素が絡んで審査が進められることについてもお話をしていきます。しかし、難しいことではありませんので肩の力を抜いてお付き合いください。
限度額は希望だけでは決まらない!別の審査項目も影響してくる
まず、希望額を下げれば審査は甘くなるのかという点について考えてみましょう。普通に考えれば、冒頭に書いたとおり「希望額が少ないほうが借りやすい」となるわけですが、果たしてそのとおりなのでしょうか?
限度額の決定は希望額以外の情報も使って判断される
答えとしては「半分正解」と言ったところです。確かに「100万円希望」よりも「10万円希望」のほうが借りやすそうに感じるでしょう。申し込みでも「借入希望額」という項目があるところは多いので、少なめに書いたほうが心象も良くなりそうに感じます。
しかし、実際の限度額決定は希望額だけでは判断されないという面を持っています。分かりやすく言うならば、
という結果であったり、その逆で
と減額ながら審査に通る場合もあるのです。これらは「希望額=審査の甘さ」とは言い切れないことを示す好例でしょう。つまり、「それ以外の項目でも融資額の審査が行われている」と判断することができます。
カードローンは貸す側が「いくらまで貸すか」を決めている!?
上で挙げた例のように、カードローンの限度額は貸す側が様々な項目を見て、総合的な判断をして決定することになります。(こちらもご参考に→カードローンの限度額についてもっと詳しく!)
カードローンはそのときだけでなく継続的に利用できるローン
ここで、「カードローンの性質」を簡単にご紹介しましょう。住宅ローンやフリーローンなど、他の借入と大きく違うのは、「契約期間中なら何度でも、限度額の範囲内で自由に借入ができる」という点です。
なので、カードローンの審査では「契約期間中、いくらまで利用できるように設定するか」が考慮され、希望額を参考にしながら限度額が設定されることになります。そのため、「希望借入額よりも多い(または少ない)金額を限度額にする」といった結果が出ることもあるわけですね。
勤務先や雇用形態…限度額は何を材料に設定されるのか
では、限度額の決定に影響を与える項目とはどのようなものなのか覗いてみましょう。申し込んだ内容から、何がチェックされて限度額が決定されることになるのでしょうか。
ヒントは貸付条件にあった!雇用形態で限度額は決まる!?
銀行のカードローン案内をよく見てみると、利用条件の欄などで次のような説明が少なからず見受けられます。
数字は銀行によってばらつきがありますが、主婦やパート・アルバイト勤務の方への制限は最近になって増えています。上限が分からないよりも明確になっているほうが申し込みする際の参考になって良いとも言えますね。
(⇒バイトでもカードローンは使えるの?)
そして、ここから雇用形態によって上限が制限されていることを知ることができます。この場合、専業主婦ならご主人がいくら稼いでいても限度額は最高10万円。複数のアルバイトでがんばっていても最高30万円までとなるわけです。
求められるのは「安定感」、勤務先や勤続年数も評価の対象になる
同様に、「どこでお勤めになっているのか」も評価の重要な項目となっています。小規模な事業所よりも従業員数の多い大きな会社。また、勤続年数は短いより長いほうが高評価になることはお分かりいただけるでしょう。
先の雇用形態も含め、求められているのは「お勤めに関する安定感」であることを、この項目でうかがい知ることができますね。
意外?銀行カードローンは収入証明書の提出条件が甘い
限度額を決めるのだから、年収に関しても厳しくチェックをするのだろうと考える人は多いでしょう。しかし、意外なことに銀行のカードローンでは最近、次のような言葉をよく見かけます。
これも100万円だったり500万円だったりと銀行やカードローンによって条件が異なりますが、数字はともかく収入証明書の提出を不要としている銀行が非常に増えているのです。
ここからも、「仕事の安定感」が重要視されているのが読み取れます。もし年収の数字が重要なのであれば、収入証明書の提出が不要になるとは考えにくいでしょう。
もちろん、いくらの収入があるのかで限度額が決定されることは間違いのないことです。年収150万円の人に100万も200万も限度額が設定されることはあり得ません。
それら「収入とのバランス」は申し込みの際の自己申告という「申込者を信頼する形」で審査されます。言い換えると、多少アバウトでも柔軟に対応してもらえているということでもありますね。
安定した職場に長く勤めていれば、それに見合った限度額を考慮してもらえるということが、この点でも見えてくるでしょう。
因みにこの「収入証明書の提出」。消費者金融や信販会社のカードローンやフリーローンでは、①「その会社との契約額が50万円を超える」、②「他社(銀行などは除く)との契約と今回の申し込み額の合計が100万円を超える」、いずれかに該当する場合は法律によって提出が義務付けられています。
②の(銀行など)は銀行・信用金庫・労働金庫といった「金融機関」を指し、法律の対象外になっている業種を指します。「金融機関」は収入証明書の提出が甘く、「それ以外」は法律で義務付けられていると覚えておけば分かりやすいでしょうか。
欲張らないのがコツ!?希望額は必要最小限で申し込むのがベター
では、申し込みのときに記入する借入希望額はどうしたらよいのでしょう?影響が無いのであれば、多少欲張って書いても良いものなのでしょうか。
王道は今必要な最小限の金額で申込みすること
どこのカードローンも先に書いたような「50万円は無理だけど、30万円ならOK」といった審査結果を出してくれればいいのですが、カードローンには「審査落ち」という現実も多々あります。
「審査落ち」すなわち「融資ができません」という結果になるのも様々な要因がありますが、その中で「希望額が多すぎ」という原因も考えられなくはないのです。
審査は銀行や消費者金融のシークレット業務なので、審査落ちしても理由は絶対に教えてもらえません。「ひょっとしたら希望額を欲張りすぎたかな?」と自分を不利にするような申し込みは避けるのが得策と言えるでしょう。
【参考ページはこちら】
最低限知っておきたい借入の基準とは