借金を抱える人の中には多重債務で苦しんでいる人が意外に多く、できれば少しでも借金を減らしたい、少しでも生活をなんとかしたい、と思いつつもどうしたらいいのかわからずにそのままになってしまったりしています。
本当に行き詰れば債務整理を考えるところでしょうが、その前に、多重債務から脱出する方法として借金を一本化する手立てがあります。
ただ言葉は知っていても、それだけ。細かいことは何もわからない。そんな人達にメリットデメリットを踏まえて、詳細をお伝えします。
ここが困る!?多重債務に陥った場合には様々な問題点
今は、7人に1人の割合で消費者金融を利用していると言われていますが、状況として便利だからと気軽に利用している人から、生活が苦しくかなり切羽詰まった人まで様々です。
特に多重債務と言われる人達は生活に苦しんでいる場合が多く、そこから抜け出す道が見つからないままになっています。複数社の借り入れも2社3社ならばまだいい方で、多い場合は5社以上から、という人もいます。
なんとかして現状から脱出する方法を検討するその前に、多重債務の問題点から順に書き出してみます。
借金が複数ある場合の問題点
- 返済日も複数日あり、手間がかかる。
- 返済を忘れてしまったり、間違える可能性が高い。
- 返済金額が月単位で見るとかなりの額になり、返済ができなくなる。
- 都度返済の処理に追われ、管理も難しく精神的に負担になる。
- ATMを使う場合、手数料もかなりの金額になってしまう。
これだけでも、かなり疲れてしまう印象があるでしょう。
多重債務のままでいるといつかは破綻する!
問題点は、これだけではありません。例えば、なかなか返済が進まず催促の電話が入るようになるなど、ここに挙げた内容以外にも当人にとってかなりの苦しみとなっていることもあり得ます。
本人に原因がある場合も他に原因がある場合もあるでしょうし、理由や言い分もあるでしょう。
返済ができないようになり、延滞がつくようになってからでは大変です。延滞を起こせば信用情報に傷がつきます。この情報は信用情報機関に記録され、他の金融機関でも延滞の情報を得ることがきます。そうなると、新たな借り入れももはやできなくなります。
どんな状況でも対策を立てなければ、現状から脱出することはできません。対策を考え、問題点を解決する方法を見つける必要があります。
多重債務に陥ったなら一度は借金の一本化を考えてみよう!
借入件数や金額など、多重債務と言っても人により状況は様々です。場合によっては、もはや債務整理しか道が残っていないような方もいるかもしれません。
しかし、まずは多重債務の解決策の一つとして、借入先の一本化を提案したいと思います。「おまとめローン」や「借り換えローン」の言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。ただ、聞いたことがあっても、詳しくは分からない人もいるかもしれません。
(⇒おまとめローンなら借入の負担を軽くできる?)
これらのローンを利用する人は、まずは借金を一つにまとめることにより、金額や返済日数の負担を減らすことを目的としています。
その「おまとめローン」ですが、通常のカードローンやキャッシングと異なる特徴があります。
おまとめローンの特徴
- 総量規制の対象外になる。
- 審査が厳しくなる。
- おまとめローンの金融機関から直接借入先にお金が振り込まれるタイプがある。
通常、消費者金融で融資を申し込む際には総量規制の対象になるため、年収の3分の1以上のお金は借りられません。(銀行は対象外になります。)
しかし、借りる側が一方的に有利になる借り入れの場合は、総量規制の対象外となることがあるのです。「おまとめローン」や「借り換えローン」がこれに当てはまり、年収の3分の1以上の借り入れをすることができるのです。
その代りという訳ではないのですが、金額が大きくなり、また金利が安くなる分(通常は安くなるか、同程度)審査は厳しくなります。融資する額を考えると、当然のことと言えるかもしれません。
また、全てのおまとめローンで行われている訳ではないですし、通常のカードローンなどをおまとめローンとする場合にもないのですが、おまとめローンの中には、当人である借入主を通さず、借入先へ直接お金を振り込む事により返済を完了できるタイプもあります。
これは手間が省けるだけでなく、大金を手にするとつい、ギャンブルなどに使ってしまうような誘惑に弱い人にはオススメのタイプです。
借入の一本化「おまとめローン」のメリットデメリットは何?
借金の一本化という提案をするにあたって、では何がメリットなのか、また、メリットだけではない部分もあることは知っておく必要があります。
そのうえで自分はどうするのが一番なのかを考える必要があります。その部分を「面倒だ。」と考えている内はいつまで経っても借金は減りませんし、生活の破綻に最短距離で近づく事になります。面倒でもやらなければいけないことはあるのです。
おまとめならではのメリットはやはり負担軽減!
借金の負担軽減がそもそもの目的であるはずですし、負担が減るからこそのメリットでもありますが、整理の意味で並べてみます。
おまとめした場合のメリット
- 金利が下がる場合が多い。
- 金利に伴い利息が減る場合が多い。
- 返済日数が減り、管理が楽になる。
- 返済日数や返済額が減り、精神的な負担が減る。
一つ一つの説明は不要でしょうが、いつくもある返済日、都度の返済による出費を考えると、現実的な金銭問題だけでなく精神的にもかなりの負担です。
細かく言えば、ひと月に何回も返済手続きを行う事が面倒な人と、月の返済総額が大きいと金額面が辛いと言う方と、人によって負担に思う部分は違うかもしれませんが、これが毎月続くとなると、誰もが段々と重荷になってくるはずです。
それが、月に1回の返済とそれだけの金額になるのならば、いろいろな面で負担軽減になるはずです。
実はメリットだけでない?借入一本化の気づかない点
どうしてもメリットにあたる部分に焦点があたり、そこに気持ちが行っているため、気づかないことが多々あるのですが、借入の一本化は、当然メリットだけでなくデメリットもあるのです。主なデメリットをあげるとこんなことがあります。
おまとめした場合のデメリット
- 審査に通らない。
- おまとめの仕方によっては返済期間が長くなる。
- 返済総額が増える場合がある。
- 新たな借り入れができなくなる。
- 借金が増える可能性がある。
- 借金全額まかなえるとは限らず、一本化にならない場合がある。
(対象外の金融機関もある)
まず、おまとめローンというのは、専用のローンコースを使うにしても通常のカードローンをおまとめ用として使うにしても、金額が大きくなるものです。おまとめローンの特徴でもあげたのですが、金額が大きいとなるとその分審査が厳しくなります。
必ず審査に通るとは限らないことは、頭に入れておく必要があります。もちろん、申し込みをしないと分からない部分もあるので、チャレンジするのもありだと思います。
また、審査に通ったとして、毎月の返済額を少なくした場合、その分返済期間が長くなる場合があります。と言うことは返済回数が増える為、都度掛かることにより利息が増える可能性があるのです。結果、状況によっては返済総額が増える可能性があります。
新たな借り入れができなくなるのは、総量規制の問題とおまとめローンの内容にもよります。おまとめの場合は、総量規制の対象外という特徴を先にあげましたが、おまとめにより年収の3分の1以上のお金を借りたら、消費者金融では今後、新たにお金を借りることはできません。
銀行は総量規制の対象外なので、「銀行なら大丈夫なのでは?」と思うかもしれません。しかし、すでに大きな額のお金を借りていれば、それだけ審査に通り難くなります。結果、銀行でも新たな借り入れは難しくなってきます。
人によってはデメリットの方が多くなる場合もある!?
おまとめローンの種類によっては、一度借主の口座にお金が振り込まれます。この場合、借入先に返済せずにお金を使ってしまう人が中にはいるために、借金が単純に増えてしまう可能性もあります。
特にギャンブルで借金を抱えている人に多く見られます。おまとめ用として借りたお金をギャンブルによって増やしてから返済しようと考えて失敗し、結局おまとめ用としてのお金を使い込んでしまうのです。最終的にはただ借金が増えるだけです。
また、おまとめで完済した金融機関から新たな融資の申し出があった時に新たな借り入れを行って、借金が増える場合もあります。ローンを完済すると、業者の方は借金を返済できる優良な顧客と判断されます。
優良な顧客にはさらに借金をしてもらえるよう、新たな融資の申し出が業者から行われます。借りる側も多重債務をするほどに借金に関しての危機感が薄い為に、上手くそれに乗ってしまう可能性が高いです。そうなると、折角完済しても、借金が結局増えてしまうことになります。
これは、新たな借金の情報がおまとめをした金融機関に入り、「折角おまとめをしたのに新たな借金をして、返済は大丈夫なのか?」と、下手をすれば一括返済を求められることになりかねません。
借入先によっては一本化出来ない場合も有り!?
そして、借金を一本化したつもりがそうならない場合があります。おまとめローンの特徴でもあるのですが、消費者金融でおまとめローンを申し込みした場合、銀行からの借入に対してはおまとめの対象にならないのです。
これは、商品説明にまず明記されているので、説明をしっかり読んで、自分が今借りている先がおまとめできるかどうか、しっかりと把握しましょう。後で気づいてからでは遅いのです。返済先は減るものの、一本化にはなりません。場合によっては、負担が増える可能性もなくはないのです。
実際に借金を一つにまとめる前に考えておこうポイントはここ
メリットとデメリットをいくつかあげましたが、これに伴い、実際に借入を一本にまとめる前に、改めて自身の借金の状況と照らし合わせる必要があります。
(⇒キャッシングの借入金額についておすすめ記事)
同時にいくつかあげる注意点も考慮して検討していくといいでしょう。
おまとめをする場合の注意点
- 新たに借入するおまとめ用のお金がどのような形で各借金先の金融機関に返済されるのか把握する。
- おまとめすることによるデメリットを把握し、自分の負担が増えないかを確認する。
- おまとめで借金全額分対応できるのかどうかを確認する。
- 悪徳業者に騙されないようにする。
審査は厳しいとありましたが、おまとめの場合、通常の審査と多少違い、多重債務になっている借入先の件数と金額が、かなり審査に影響します。
特に件数は重視されるという話もあります。せいぜい3件くらいまでなら大丈夫なのですが、5件も借入先がある場合は、かなり審査通過がかなり厳しい様です。
また、先にも説明した、消費者金融のおまとめローンでは、銀行やクレジットのキャッシングの分はおまとめとしての枠には入れられないという点も要確認です。
商品説明で小さく注釈で記載されていると思いますので、小さな字も面倒だから後回しにするのではなく、きちんと説明を読む必要があるでしょう。
悪徳業者はどこにでもいる!?うまい話には要注意!
世の中には様々な悪徳業者がいます。よく闇金と言われる、法外な金利で多重債務者を食い物にする業者もいますが、おまとめという形に関しても注意する必要があります。
おまとめを餌に、小口の借金を一度持ちかけるのです。「融資をするには個人の信用度を上げなければいけない。その為に一度借金の実績作らないといけない。」と話を上手くもっていくのです。一旦好条件に思える内容でも、後々見ると法外な利息がついていたり、約束していた融資をしてもらえないといったことがあります。
まずは、悪徳業者に騙されない様に気をつける必要があります。正規の業者ならば、必ず貸金業者としての登録番号があるので、その登録番号を確認しましょう。金融庁ホームページで番号を検索すると登録された正規の業者かどうかがわかります。
メリットデメリットを知った上で借金の一本化を計画するのが一番
多重債務に陥ると、なかなか冷静な判断がつかないような状態になっているものです。そんな時は、面倒でも、一度、紙に内容をひととおり書き出すのです。
自分の借金の状況、借金一本化に対してのメリット、デメリット。そして自分はどうしたいのか?例えば、「毎月の返済額を減らしたい。」「借金を早く終わらせたい。」など、借金を一本化するにあたっての目標はどこにあるのかを考えます。
紙に書き出して整理することにより、冷静になれるはずです。冷静になれば、慌てて目先の広告につられて気づけば悪徳業者に掴まっていた、なんて事もないでしょう。自分にあった借入先を見つけることができるでしょう。
返済が延滞なく行われているならば、信用度は悪くない可能性が高く、借入先件数が多い場合でも相談に乗ってくれることがあるからです。新たな金融機関で信用がほとんどない所よりも個人の状況を把握しており、他の金融機関よりも信用度が高い可能性があるからです。
まずは落ち着いてゆっくりと自分の借金を知ることから始めましょう。
【参考ページはこちら】
おまとめローンの使い方を徹底解説