車を購入の際に組むローンは、数百万単位の借り入れにも関わらず、簡単に審査通過できるといわれています。実際、返済能力がそれなりでも通っているケースが多いので、難しいというイメージはないかもしれません。
だから「あれだけ簡単に通るんだから、車ローンって審査なしでは?」という噂も出ています。ほぼ全ての融資では審査があるのに、車ローンは特別なのでしょうか?
車ローンの審査の有無、そしてどんな特徴があるのか…なかなか表にはならない融資事情について、今回はしっかりと触れていきます。
通りやすいけど審査はある?車ローン一つの真実
まず、以下の融資の例をご覧ください。
- 購入額200万円の車ローン
- 限度額200万円のカードローン
この二つのうち、融資審査が厳しいのはどちらだと思いますか?「カードローンって誰でも持てるって聞いたから、カードローンでしょ?」と答える人が非常に多いですが、違います。
車ローンは同額の現金融資に比べ、かなり審査に通りやすいです。従って、上の車ローンのほうが借りやすくなっており、日本では多くの人が年代関わらず、自家用車を所有しているでしょう。
ですが、車ローンは『融資審査に通りやすい』とはいえ、『審査がない』わけではなく、一人一人をきちんと評価の上判断しています。
だから「車ローンに通ったぞ!」という声が多い一方で、「車ローンに落ちて買えなかった…」と落胆する意見も見かけるでしょう。
この車ローンに関する誤解は、一体どこから来ているのでしょうか?
車ローンが通りやすいのは販売店が関係していた?
「車ローンに落ちたことがないから、必ず組めると思っていた…」こんな誤解につながりやすい理由として、自動車販売店で組む『ディーラーローン』が関係しているのです。
このディーラーローンには、以下のような特徴が存在します。
- 自動車販売店で購入と同時にすぐ申し込める
- 審査結果が出るのが早い
- 販売店が通過しやすいようにアドバイスをしてくれる
お手軽さが目立つ一方で、今回注目したいのが『販売店のアドバイス』です。販売店からすると、このローンに通らない限りは利益になりませんよね?
だから「年収の数値は総収入で大丈夫ですよ」といったような、審査に少しでも通過しやすくなる助言をし、できる限り通るように配慮してくれるのです。もちろん違法行為を推奨するようなことはありませんから、基本的には素直に従うべきでしょう。
販売店で組めることから「車を買うならディーラーローンしか使ったことがない」と答える人が多いですが、実はそれ以外でも車ローンは組めます。
(⇒他で借入あっても車のローンに影響ない?)
銀行でも可能!組む場所で違う車ローンの差とは
車ローンが組める場所として、普段私たちが利用している『銀行』も扱っている可能性が高いです。銀行といえば、他にも『カードローン』や『フリーローン』でもお馴染みですね。
そんな融資慣れした銀行の車ローンには、どんな特徴があるのでしょうか?
- 低金利で利息負担が少ない
- 普段から使っている銀行なら相談しやすい
- 審査が厳しく結果が出るまでが遅め
利点もあるのですが、『審査が厳しく結果が出るまでが遅い』のが難点で、これはディーラーローンと逆の特徴だといえます。
ディーラーローンより金利負担が低いのは嬉しいですが、車は生活必需品にもなり得るため、通過率を第一とする人が多いです。ゆえに銀行の車ローンを知っていても、「やっぱり自信がないからディーラーローンにしておこう…」と判断しやすいでしょう。
審査基準は同じ?車ローンで見られる点を知ろう!
車ローンにて審査があるのは間違いありませんが、そうなると「じゃあ車ローンに通るためにはなにが必要なの?」と聞きたいでしょう。
具体的には、以下のような要素が大切とされます。
- 年収
- 職業
- 勤続年数
- 過去の融資利用状況
もしも先にカードローンの審査条件を調べていたら、すでにご存じの点ばかりですね。だから車ローンに関しても『公務員』や『医師』が有利で、そうした人たちは高級車を所有しているケースも珍しくないでしょう。
当たり前ですが、高級車ほど購入金額が高いですし、借入額が増えて審査も厳しくなるため、簡単には組めなくなります。
組めない人も変わらない?審査に落ちる人の特徴とは
車ローンの審査条件、そして通りやすい人からも分かるように、『審査に落ちてしまう人』の法則性も、通常の融資と大差ありません。
- 無職
- 専業主婦
- アルバイトやパートなどの非正規雇用者
車ローンは通りやすいとはいえ、さすがに本人に収入がない無職や専業主婦では。まず通過できません。
ただ、専業主婦の場合は夫名義で購入してもらうか、連帯保証人を立てることで組める可能性があります。夫名義でもそうですが、配偶者を連帯保証人にした場合、結局は旦那さんが支払いますよね?だから勝手に話を進めず、事前にきちんと相談しましょう。
なお、アルバイトやパートの場合は状況によりけりで、安価な車かつ勤続年数と年収が低すぎなければ、十分希望はあります。ただし勤続年数が半年以下だったり、年収が100万円を切るような金額だったりすれば、さすがに楽観視はできません。
その場合は一括購入すれば一番手っ取り早いですが、車の金額を考えた場合、現実的ではないでしょう。
担保が決め手?車ローンの通りやすさはここにあった!
融資の種類によっては、『担保』の用意が必要になります。
担保とは、『返済ができなくなった際に相手に渡すことを約束する財産』で、借金が払えないといわゆる「差し押さえ」をされます。担保を用意することで、審査に通りやすくなったり、返済能力に余裕がなくても申し込みが可能になったりするでしょう。
車ローンは有担保融資になるからこそ審査に通りやすいのですが、「担保なんて用意した記憶がないよ?」と思いませんか?実は、すでに担保の用意は整っているのです。
車ローンを組む場合、今から購入する車が担保になるので非常に楽ですが、仮に返済ができなくなれば、車自体が没収されるでしょう。
これは他の高額商品(パソコンや生活家電など)のローンでもほぼ同じなので、分割で購入する場合、差し押さえられないよう計画的に返しましょう。
保証人は必要?不要?用意すべきもう一つの要素とは
担保が必要と聞いたら、融資経験がある人は「もしかして保証人も必要なの?」と疑問に感じるでしょう。
連帯保証人については先ほども少し触れましたが、車ローンでは原則不要な場合が多いものの、状況により良く変わるのです。たとえば、以下の場合は保証人が別途必要になります。
- 借り入れる金額に比べてあまりにも返済能力が低い場合
- 本人に収入がない場合(専業主婦などが申し込むケースなど)
購入する車の金額にもよりますが、やはり「この人だと返せるかどうか微妙だな…」と金融会社が思えば必要とされます。もしも保証人が必要になりそうだと思ったら、先になってくれそうな人を探しておきましょう。
どんな融資を受ける場合でも気をつける点とは?
それでは、今回のまとめをしておき、大事なことを最後にお伝えします。
- 車ローンは必ず審査がある
- 審査基準はカードローンなどと大体同じ
- 車ローンは担保は自動で設定、保証人はその人次第
今回の記事で特に意識してもらいたいのは、『どんな融資でも審査がある以上、落ちる可能性も常に存在している』という事実です。
通りやすい審査を受ける前ほど「どうせ確実に通るから、そのまま予定を立てよう」と考えがちですよね?ですが、それだと審査に落ちた後を想定していないため、後から予定の組み直しがあると慌ててしまい、車の納品時期も大きくずれるでしょう。
ですが「もしも銀行の車ローンに落ちたら、次はディーラーローンにすぐ相談しよう」といったように、万が一に備えて行動しておくと、計画の練り直しにも無駄がありません。
これも融資審査の有無を理解し、そして審査落ちも想定することが必要なので、どんな融資を受ける前でも後のことを考えて行動してくださいね。
【参考ページはこちら】
無収入でも車のローン審査には通れる?