「カードローンで簡単にお金を借りられる!」、なんてよく見かける文章ですが、実際はそんなにうまくお金を借りられない…という方も中にはいるのではないでしょうか。
確かに法律が改正される前に比べたらお金は借りにくくなっているものの、それでもまだ十分借りることは可能です。お金を借りられない、ということは何か原因があるに違いありません。
その原因が分かれば話は簡単なのですが…難しいですよね。でも、お金を借りるために知っておきたい、「カードローンの審査に重要なポイント」を知れば、その原因が解決出来るかもしれません!
借りやすさには「属性」が重要!あなたの属性は大丈夫?
なぜカードローンなどの借り入れの審査に通らないのか…と考えた時に、一番高い可能性として考えられるのは「属性」です。(こちらもご参考に→キャッシングの審査基準を教えて!)
あまり耳馴染みがない単語ですが、属性とはその人の環境をまとめたもの…といいましょうか。お金を借りるためにチェックされるちょっと詳細なプロフィール、と思ってもらってもいいかもしれません。カードローンなどの審査では、その属性をチェックして「お金を貸すのにふさわしいかどうか」を判断するわけですね。
この「属性」が悪い(不利)ほど、お金が借りにくい人である、と言っても過言ではありません。自分はどの程度借りやすい(借りにくい)人間なのか、チェックしてみましょう。
自分の職業(勤務先)
属性の中で重要なポジションを担っているのが自分の職業です。とはいえ「サラリーマン」「歌手」「陶芸家」といった細かいものではなく、大まかな分け方になります。
具体的には「公務員」や「自営業」といった感じですね。サラリーマンなど企業に勤めている場合、その会社の規模もチェックされることが多いです。
(⇒キャッシングをするための職業情報)
有利な属性← | →不利な属性 | ||||
---|---|---|---|---|---|
公務員 | サラリーマン (大手企業) |
サラリーマン (中小企業) |
自営業 | アルバイト ・パート |
無職 |
このように公務員は絶対的に評価が高く、無職の方は当然ですがアルバイトやパート、自営業の方は評価が低くなります。
その理由は「安定感」。公務員は今でこそ絶対に安定…とはいえないのかもしれませんが、それでも一般企業に比べると十分に安定していますし、収入的にもきちんとボーナスがもらえるなどまだまだ盤石。
対して、自営業やアルバイト・パートの場合はお給料(収入)が不安定になる可能性もあり、どうしても評価は低めになってしまうんです。お金を貸してもきちんと返済しきれるような職業・立場の方が評価としては高くなるということですね。
ただ、自営業であっても開業医や弁護士事務所の改行など、一定の社会的地位があるような職業であれば自営業であっても不利になりづらい場合があります。
勤続年数も重要!こちらも理由は「安定感」
職業シリーズで続けますと、勤続年数も実はカードローンなどの審査においては重要です。
有利な属性← | →不利な属性 | ||||
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10年以上 | 7年以上 10年未満 |
5年以上 7年未満 |
1年以上 5年未満 |
6ヶ月以上 1年未満 |
6ヶ月未満 |
こちらも理由は「安定」です。長く同じ会社にいるとお給料もそれだけ安定しますが、転職を繰り返しているような人は年収の変動が激しく、また転職活動がうまくいかない(時間がかかる)場合、その間の収入はゼロになる可能性もあります。
アルバイトの方なんかもそうですね。特に学生さんの場合2年程度でやめてしまうことも多いので、収入が不安定になります。返済において収入が不安定になるのは非常にマイナスなこと。なので、同じ会社で長く働いている方のほうが優遇されるんです。
雇用形態ももちろん評価対象。正社員が一番
忘れていましたが、いくら大きな会社に勤めているからといって、それだけで評価がうなぎのぼりになるわけではありません。勤めている会社の規模もチェック対象ですが、もちろんのこと雇用形態もチェック対象です。
有利な属性← | →不利な属性 | ||
---|---|---|---|
正社員 | 契約社員 | 派遣社員 | パート・アルバイト |
もちろん正社員が一番評価が高く、契約社員、派遣社員…と続きます。アルバイトやパートの方は残念ながら一番評価が低くなります。大手企業のアルバイトよりも、中小企業の正社員の方が評価が高くなることも十分に考えられますね。
こんなところまで!?保険証の種類も重要
こちらは働いていれば特に悩むところもありませんが、保険証の種類でも評価が変わります。
有利な属性← | →不利な属性 | |||
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共済保険 | 組合保険 | 社会保険 | 国民健康保険 | 加入なし |
流石に加入なし…というのは問題外ですが、基本的に勤務先の規模によって保険証が変わるため、公務員などが加入する共済保険が一番有利となります。
組合保険は大手企業に多く、一般的な企業であれば社会保険、アルバイトなど福利厚生がない場合は国民健康保険…となりますので、いうなれば勤務先の規模を図る指標として保険証もチェックされることがあるようですね。
もちろん年収もチェックされる!しかし重要度は…?
お金を貸す会社側としては「安定して完済まできちんと返済できるか」が重要なため、自営業の方でお金をとても稼いでいたとしても、それが長く続くかどうか、の方が気になるわけです。
なので、収入が低めでも勤続年数が長い会社員と、収入が高めでも事業をはじめて年数が浅い自営業であれば、前者の方が借り入れ金額が多くなることもあります。
年収の下限の目安は200万円程度と言われています。アルバイトなどの場合はもう少し少なく、150万円くらいでしょうか。多くの場合400万円以上の年収があれば安定して借り入れが可能だと思います。
あなたの属性はどうだった?どのくらいが借りられる目安?
主な職業・勤務周りについてのチェック項目(属性)は以上になります。もちろん有利な属性が多ければ多いほど借りられる確率は高くなりますが、全体的に平均でも、一部不利な属性が混ざっていても借りられる可能性はあります。
逆に、ほとんど有利な属性を持っていても少し不利な属性を持っているだけで借りられないこともあります。特に勤続年数や保険証は影響が大きいので、もう少し時期を待ってから申し込む、保険証が変わるタイミングがあるなら変わってから申し込むといった工夫をしてみてもいいでしょう。
職業周りだけじゃない!もっとプライベートなことも評価に!?
お金を借りる上で判断の材料になるのは、職業や年収周りだけではないんです。もちろんそれらも重要なのですが、もっとプライベートなところも審査の対象になるって知ってましたか?
年収や勤務先などに比べると具体的にどのような項目が審査対象になるのか、見ていきましょう!
自分の家は借家?持ち家?居住環境も審査対象
ちょっと意外かもしれませんが、自分の今住んでいる家がどのような環境にあるか…というのは重要なポイントだったりします。
有利な属性← | →不利な属性 | |||
---|---|---|---|---|
自分(本人)名義の 持ち家 |
家族名義の 持ち家 |
社宅など | 一般的な 賃貸住宅 |
公営住宅 |
やはり自分名義の持ち家が一番評価が高く、賃貸など名義が自分や家族でないものは評価が低くなっていきます。なぜかというと、お金を返せなくなった場合に引っ越して逃げる…いわゆる夜逃げの可能性が低いほど評価が高くなるからです。
それなら公営住宅は夜逃げしにくいのでは?と一見思えますが、もともと低所得者向けに安く借りられる住居なので年収が低い方が多く、経済的に不安定とみられることが多いため評価が低いようですね。
環境だけじゃなく、居住年数も大事なポイント
勤務先と勤続年数がセットで重要となるように、居住環境と居住年数もセットで評価に影響してきます。
こちらも長ければ長いほど評価が高くなります。理由は勤続年数と同じですね。居住年数が短く、かつ賃貸住宅という場合「返済できなくなったらすぐ引っ越してしまうのでは?」と警戒される可能性があります。
持ち家となるとそう簡単に引っ越しは出来ないので居住年数は長くなります。それがまた高評価につながっていくわけですね。
まさかの、一緒に住んでいる家族もチェック項目に!?
ここまでくるとビックリする方もいると思いますが、なんと一緒に住んでいる家族構成によっても審査に影響があるんです。とはいえ勤続年数などに比べるとその影響は少ないのですが…。
加えて本人が結婚しているかしていないか、というのも評価に影響します。
有利な属性← | →不利な属性 | ||
---|---|---|---|
独身で家族と同居 | 既婚で家族と同居 | 既婚で一人暮らし(単身赴任など) | 独身で一人暮らし |
一見結婚している方が安定していいのでは?と思えますが、結婚すると生活費などお金がかかったり、子供がいる場合子育てにもお金がかかります。お小遣い制のお父さんも少なく無いですよね。
同じ金額の収入であっても、どうしても自分が自由に使えるお金は独身時代より少なくなってしまう事が多いので、評価は残念ながらちょっと下がってしまいます。
一番評価が低いのは独身で一人暮らしの方。自由にお金が使える+一人なので踏み倒して夜逃げも可能…というフットワークの軽さからちょっと不利になってしまうようです。
固定電話に関してもなんと評価が…!ある方が有利
あとは、驚きかもしれませんが自宅に固定電話があるかどうか、というのも評価の対象になります。とはいえ最近ではほとんど携帯しか持たない方が多いため影響はそう大きくありません。が、固定電話がある方が有利になります。プラスアルファになる、という感じでしょうか。
有利な属性← | →不利な属性 | |
---|---|---|
固定電話+携帯電話 | 携帯電話、固定電話どちらかのみ | どちらもなし |
ただ注意しておきたいのは、勤務先に固定電話がない場合です。最近ではネット上で連絡を取ることも多いため、事務所には固定電話を引かず社長の携帯電話が連絡先に…となっている企業もあるようです。
そのような場合は審査で不利になる可能性が高いです。在籍確認が不可能で審査に通らないという話もありますので、勤務先の連絡先が携帯電話しかない!という方は本人の属性にかかわらず審査に通らない可能性があることは心しておきましょう。
勤務先周りほど重視されないものの、居住年数と形態は注意点
勤続年数や雇用形態、勤務先といった情報に比べるとプライベートな情報となるため、審査で重視されにくい項目ではあります。とはいえこれらがすべて不利な属性の場合、審査に通っても利用できる金額が低かったり、審査に通らないことも十分に考えられます。
特に居住年数と居住形態は中でも重要といえるでしょう。転職してすぐにカードローンの申し込みはしないほうがいいのと同じように、引っ越したばかりでの申し込みは避けたほうが無難ですね。
属性だけじゃない!借りられない理由は他にもいろいろ
属性が悪ければお金を借りることは難しいですし、審査に通らない可能性も高くなります。
とはいえカードローンの場合、よほど属性が悪く無い限り、希望している利用限度額よりも少ない金額になったとしても借りられない、ということはあまりないように思えます。すべての審査に通らなくても、1社くらいは引っかかるのではないでしょうか。
しかし、属性がよくても審査に通らない、落ちてしまうこともあります。むしろ、これから説明する原因の方が審査に落ちる理由として多いかもしれません。
借入金額が多すぎる!?「総量規制」に引っかかっている
カードローンとは切っても切り離せないのが「総量規制」です。これは一時期サラ金(サラリーマン金融)が流行し、お金を借りすぎて返済できず自己破産してしまう人が急増したため社会問題になったことから作られた仕組みです。
という仕組みです。具体的な例を挙げてみると以下のような感じになります。
年収 | 借入(1社目) | 借入(2社目) | 借入金額総計 | 残りの借入可能金額 |
---|---|---|---|---|
300万円 | 30万円 | 40万円 | 70万円 | 30万円 |
600万円 | 80万円 | 120万円 | 200万円 | 0円 |
年収600万円の方の場合、3分の1である200万円の借り入れが既にあるため、いくら新規で借り入れをしたくても総量規制により利用できない、というわけです。
ちなみにこの「総量規制」は貸金業者に対して課せられている法律であり、違反をすると刑事罰が与えられるため非常に厳しいチェックが入ります。年収をごまかして借りることも不可能ではないでしょうが、わかった時にはブラックリスト入りは間違いないでしょう。
年収がないとお金を借りることが出来ないため、消費者金融では専業主婦の方は利用できない(厳密には利用できますが非常に煩雑な手続きが必要です)ことになっています。
また、総量規制は
- 消費者金融
- クレジット会社
といった、貸金業者に対して適用され、銀行や信用金庫のカードローンには適用されませんが返済に影響がある可能性が高いので、総量規制を超えてまでお金を貸すところは少ないと考えていいでしょう。
借入件数の多さも審査に落ちやすい原因
借り入れ金額だけではなく、借り入れ件数の多さも審査に通らなくなる原因のひとつです。
1社~2社程度であれば問題ありませんが、3社以上となると少々厳しくなり、4社ともなるとかなり審査に通るのは厳しくなります。
これは借り入れ件数が多いことによる返済の負担が大きいからです。それぞれの返済額が1万円としても、4社で4万円と毎月の負担はなかなかのものです。そこに新たな借り入れで返済額が増えると考えると、収入と借り入れ金額によっては審査に落ちる可能性が十分に考えられます。
お金を借りてなさすぎでも借りられない!?その理由とは
逆に、お金を借りていない方でも審査に通らないことがあります。「借りすぎてダメなのに、借りてないのもダメってどういうこと!?」と思った方もいるでしょう。
お金の借り方として、「毎月いくらかを借りて返済する」といった継続的な利用や、お金を借りてボーナスが入ったら一度に返済してあとは利用しない、といった一回きりの利用などその人によって借り方は様々です。
逆にクレジットカードも一切利用しない「現金主義」の方ですと、あまりにもお金を借りた(クレジットカードも含め)形跡がないため、何か理由があるのでは…?と警戒されることもあるようです。
申し込み過ぎが仇に!?「申し込みブラック」も対象外
カードローンは結果が出るまで30分から40分というスピーディな商品が増えていますが、どのような条件で借りることが出来るのかはまた別です。
できるだけいい条件でお金を借りたい、と思うのは当たり前のこと。しかもできるだけ早く結果を知りたい!となればいくつかの会社に同時に申し込みをしたくなってしまいますよね。しかしそれが逆に審査に落ちる原因になることもあるんです。
銀行や消費者金融、クレジット会社といったお金を貸すことに関わっている会社は、顧客の情報の一部を共有しています。もちろんその情報は第三者機関である信用情報機関がきちんと管理しているもので、申し込むときに情報を共有することに同意しているはずです。
共有される情報の中には「申し込みの年月日」も含まれています。あまりにも近い時期に申し込みが重なっていると
- それだけお金に困っている(早くお金が欲しい)
- お金を貸しても返済されない可能性が高い(踏み倒し)
と判断されやすくなり、結果、審査に可決しない、あるいは借りられても希望額よりもかなり低い金額になってしまう可能性があります。この状態は便宜上「申し込みブラック」と言われています。
信用情報機関に申し込みの情報が残るのは半年です。一度申し込みブラックになってしまうと、少なくとも半年間は申し込みが出来ない状態になるといっていいでしょう。
具体的にどのくらいで申し込みブラックになるのか、と決まったものはありませんが、7~8社以上短期間(1週間~1ヶ月)のうちに申し込むことでなりやすいようです。
もちろん延滞・自己破産などの事故情報もNG
そして、一番お金が借りられない理由として基本といえるのが「事故情報がある場合」です。
- 延滞(3ヶ月以上返済をしていない状態)
- 自己破産
- 任意整理
などを行った場合、信用情報に「事故情報」として登録されます。事故情報がある場合、ほぼお金を借りることが出来ないといっていいでしょう。
これはいわゆる「ブラックリスト」に入った状態です。カードローンなどの借り入れにおいて明確なブラックリストはありませんが、一般的に事故情報が記載されている状態を「ブラックリスト入り」と言われることが多いです。
カードローンなどの借り入れだけでなく、クレジットカードでの買い物や携帯電話の割賦契約をしている際の返済遅れでも事故情報がつく可能性があります。とはいえ、1日遅れただけですぐに事故情報として登録されることはありませんので安心してください。
事故情報は信用情報機関や登録されている内容によって最短でも5年、最高で10年以上残ります。事故情報を隠して申し込みをしても信用情報機関に照会すればすぐにわかってしまうので、ごまかすことは出来ません。
ただ、こういった状態はほとんどの場合きちんと返済する、返済できないほどお金を借り過ぎないといったことに気をつければ避けられる部分ですので、きちんと返済していれば簡単に事故情報が登録されることはありません。
審査に落ちる理由はひとつとは限らない。セルフチェックしてみて
審査に落ちる可能性がある要素について説明してきましたが、いかがだったでしょうか?特に属性に関しては、こんなものも項目としてあるのか!とびっくりした方もいるのではないでしょうか。
とはいえ、属性はそう簡単に変えられるものではありません。仕事にしても家にしても、変えるには相当な決断や資産が必要になることも多いです。ただ、「自分は属性が悪いからどうしても落ちてしまう」と嘆く必要はありません。実際属性が悪い方に分類される方でもお金を借りることは出来ますし、その逆もまたしかりです。
審査基準はそれぞれの商品によって違うため、同じ条件であっても審査に通る商品もあれば、通らない商品もあります。同じ会社でも商品によって基準が変わることはままありますし、今回説明したような要素の重要度も会社によって、あるいは商品によって変わることもあります。
多くの場合、信用情報に事故情報が登録されているなど、明らかに借りられない原因がないのならば、「ここが悪いからダメ」とバッサリ切り捨てられることはありません。複合的な要因の方が大きいと考えられます。
なので、どのあたりが審査に影響するのかを知った上で自分の状況と照らしあわせてみると、自分にとってここが弱いところだな…というのがわかるはずです。そこをより有利な属性の方向に持っていければ、今まで審査になかなか通らなかった方も以前より通るようになるのではないでしょうか。
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銀行の借入審査をクリアするポイント