「お金を借りるなら消費者金融で!」…という時代ではなくなっているような気がします。それこそ数年前…10年前くらいはお金を借りるなら消費者金融でしたが、現在はメガバンクをはじめ信用金庫や地方銀行といったところまでカードローンを提供しています。
選択肢が豊富になったのは利用する側として嬉しいですが、それぞれの商品の違いってよくわからないですよね。
銀行のカードローンと消費者金融のカードローンの違いは一体なんなのか?借入条件や金利など、知りたい!と思うポイントごとにその違いを探っていきたいと思います。
利用条件から見る、消費者金融と銀行の違い
正直言って、消費者金融と銀行のカードローンの違いってよくわからないですよね。そこでまずは、消費者金融のカードローンと銀行のカードローン、それぞれの利用条件からどのような違いがあるのか見ていきたいと思います。
(⇒カードローンの審査基準を教えて!)
しかし、利用条件なんてそもそも違いなんてあるのでしょうか…?
複数サンプルから見る、銀行と消費者金融それぞれの条件
なにはともあれ、利用条件を見てみることにしましょう。さらっと流し見だけして、あまりじっくりと見たことがないという方もいるのではないでしょうか?
消費者金融4社銀行4社、合計8社の利用条件を箇条書きにしてまとめてみました。
分類 | 会社名 | 条件 |
---|---|---|
消費者金融 | アイフル (キャッシングローン) |
・満20歳以上 ・本人に定期的な収入と返済能力がある ・アイフルの基準を満たしている |
消費者金融 | アコム | ・満20歳以上 ・本人に定期的な収入と返済能力がある ・アコムの基準を満たしている |
消費者金融 | プロミス | ・満20歳以上69歳以下 ・本人に定期的な収入と返済能力がある |
消費者金融 | モビット | ・満20歳以上69歳以下 ・本人に安定した収入がある ・モビットの基準を満たしている |
銀行 | みずほ銀行 | ・契約時の年齢が満20歳以上満66歳未満 ・安定かつ継続した収入がある (本人に収入がなく配偶者が収入がある場合も可) ・保証会社の保証を受けられる |
銀行 | 三井住友銀行 | ・申し込み時の年齢が満20歳以上満65歳以下 ・原則安定かつ継続した収入がある ・保証会社の保証を受けられる |
銀行 | 三菱東京UFJ銀行 | ・年齢が満20歳以上65歳未満 ・国内に居住している ・原則安定かつ継続した収入がある (本人に収入がなく配偶者が収入がある場合も可) ・保証会社の保証を受けられる |
銀行 | 楽天銀行 | ・年齢が満20歳以上62歳以下 (パート・アルバイト・専業主婦は60歳以下) ・国内に居住している ・原則安定かつ継続した収入がある、または主婦) ・保証会社の保証を受けられる |
比べてみると、消費者金融の方が利用できる年齢の上限が特に記載されていないのに対し、銀行のカードローンはしっかりと利用、または申し込みや契約する年齢の上限に制限がかかっていることがわかります。
消費者金融の場合も、上限が記載されていないとはいえ80歳や90歳でも利用できるわけではありません。多くの場合70歳や72歳で契約が終了することにはなりますが、銀行に比べると利用できる期間は長いと言えます。
そして、消費者金融には「本人に収入があること」が条件となっていますが、銀行の利用条件を見ると「本人に収入がなくても配偶者に収入があれば利用可能」と記載されているところが多いと思います。
これが銀行と消費者金融の利用条件の中で一番大きな違いといえるでしょう。
どうして銀行は本人に収入がなくてもOK?理由は「総量規制」!
消費者金融は必ず本人に収入がないと申し込みすることが出来ないのに、銀行なら本人に収入がなくてもOKなのはどうしてなの?と疑問に感じますよね。その理由は「総量規制」にあるんです。(こちらもご参考に→今更聞けない「総量規制」について)
消費者金融からお金を借りる場合、専業主婦ではなくパートやアルバイトをしている主婦の方でしたら収入があるので利用することは可能ですが、専業主婦の方は利用できません。(こちらもご参考に→専業主婦が借入できるところをご紹介)カードローンといえば消費者金融!というイメージがありますが、立場によっては銀行の方がお金を借りやすいこともあるんですね。
提出する書類にも違いアリ!銀行カードローンの方がラク!?
どこでお金を借りるにしても、必ず提出しなければならない書類があります。それが「自身の身分を証明できる書類」です。運転免許証やパスポート、健康保険証がそれに当たります。
それにプラスして、場合によっては納税通知書や源泉徴収票、給与明細書などの「収入を証明する書類」を、消費者金融で借りる場合
- 1社からの借り入れ金額が50万円を超える時
- 複数の貸金業者からの借入金額の合計が100万円を超える時
に、必ず提出しなければなりません。これも「総量規制」で決められているもののひとつです。
しかし銀行の場合はそのような規制がないため、100万円~300万円まで提出を不要としているところが多いです。銀行の方が消費者金融より提出書類もゆるいなんて、ちょっと意外ですよね。
利用限度額と金利から見る違い。お得なのはどっち?
利用条件は大きく変わらないながらも、「総量規制」によってお金を貸す対象は銀行系カードローンの方が広い(年齢については消費者金融の方が幅がありますが)ことがわかりました。
それでは、利用条件と同様に、いや、人によっては一番大切かもしれません「利用限度額」と「金利」について消費者金融と銀行を比較してみたいと思います。
全体的に金利が低いのは銀行。最低金利は消費者金融も低め!
こちらの表は、それぞれの会社の最低金利(一番低い金利)と最高金利(一番高い金利)になります。
分類 | 会社名 | 利用限度額 | 金利(最低/最高) |
---|---|---|---|
消費者金融 | アイフル (キャッシングローン) |
1万円~500万円 | 4.5% / 18.0% |
消費者金融 | アコム | 1万円~500万円 | 4.7% / 18.0% |
消費者金融 | プロミス | 1万円~500万円 | 4.5% / 17.8% |
消費者金融 | モビット | 1万円~800万円 | 3.0% / 18.0% |
銀行 | みずほ銀行 | 10万円~1,000万円 | 4.0% / 14.0% |
銀行 | 三井住友銀行 | 1万円~800万円 | 4.0% / 14.5% |
銀行 | 三菱東京UFJ銀行 | 10万円~500万円 | 4.6% / 14.6% |
銀行 | 楽天銀行 | 10万円~500万円 | 4.9% / 14.5% |
最低金利は利用限度額によって変動するものの、消費者金融の「モビット」が一番低い3.0%になっています。全体的な数値は4%台と、大きく違いはありません。
対して最高金利は明確に消費者金融と銀行の間で差があります。こちらも一番高いのが「モビット」の18.0%、一番低いのは「みずほ銀行」の14.0%となります。その差はなんと4%!消費者金融は17%台がほとんどなのに対して、銀行のカードローンは14%台と、3%近くの差になります。
どうして銀行の方が金利が低いの?その理由とは
どうして銀行の方が金利が低いのでしょうか?その理由は明確にされているわけではありませんが、銀行と消費者金融の営業形態にあると言われています。
まず、銀行は貸すための資金調達が消費者金融に比べて簡単な点が挙げられます。なぜ簡単なのか…それは、銀行にはお金を預けてもらうシステム、つまり「預金」があるからです。
そもそも銀行は預けてもらったお金を投資するなどして利益を得ます。カードローン事業は投資とは違いますが、預けてもらったお金をカードローンとして貸し、利息で利益をまた上げることが出来ますよね。対して消費者金融は預けてもらうお金はないので、利息が主な収入源のひとつです。
この収入源としての重さの差が金利にあらわれているのではないでしょうか。
また、銀行のカードローンを利用するには原則その銀行の預金口座を開設する必要があります。銀行のカードローンの返済方法の多くはその銀行の預金口座からの自動引き落とし。口座を開設してもらって、そこにお金を預けてもらう…というサイクルが作られています。
預金口座を開設してもらうことで、カードローンだけでなく将来的に住宅ローンであったり定期預金であったりと、銀行としての顧客になってくれる可能性も秘めていますので、金利を低めに設定して口座を開設してもらう…という狙いがあるのではないでしょうか。
また、銀行の方が審査が厳しいため金利が低く設定されている…というのはよく言われることですよね。銀行の審査はそんなに消費者金融に比べて厳しいのでしょうか?次は、その点に迫ります。
銀行の方が審査が厳しいって本当?その秘密を探る!
カードローンの世界では常識のひとつとして、「消費者金融よりも銀行の方が金利が低いのは審査が消費者金融に比べてかなり厳しいから」というものがあります。
ですが、先ほどの借り入れ条件を見ても消費者金融と銀行では大きな違いはありませんよね。実際、銀行の審査はそんなに厳しいのでしょうか?
消費者金融と比べると審査基準は厳しい傾向にある
条件自体は大きく変わりませんが、審査基準は消費者金融に比べると厳しい傾向にあるようです。
といった方をモデルに考えた場合、消費者金融では問題なくお金を借りることが出来る可能性が高いです。しかしながら、総量規制があるので借りられるお金は最高でも80万円程度になります。
対して、銀行のカードローンに申し込んだ場合は総量規制の対象外となりますので借りられる金額は理論上いくらでも問題ありませんが、借りられる金額は30万程度かもしれません。また、既に他社からの借り入れがある場合は審査に落ちてしまう可能性もあります。
どちらも借りられる…ということには変わりはないと思いますが、
- 既にお金を借りていると審査で不利になることがある
- 希望の限度額よりも下でしか審査に通らない可能性がある
このようなことが消費者金融に比べると銀行カードローンで起こりやすい、といえるでしょう。
特にそれまでの利用がなく、カードローンの申し込みをきっかけに銀行口座を作る…という場合は特にこのような状況になりやすいと言えます。もちろん審査基準はそれぞれ違いますので、すべての銀行が厳しいというわけでもありません。
レイクのような消費者金融から銀行カードローンになった会社の場合、審査も消費者金融と同じくらいと言われることがあります。
いわゆる銀行の「お得意様」であればスムーズに借りやすい
逆に、その銀行を長く使っている、給与振込の口座にしているといった場合は審査が厳しくても通過しやすい傾向にあると言えます。何故かというと、銀行にとって既に顧客であり、返済能力もある程度把握出来ているからです。例えば住宅ローンを利用している場合のケースを考えてみましょう。
住宅ローンの審査はカードローンのそれとは比較にならないくらい厳しいものです。それを通過しているのですから、十分に返済能力はあると考えてもおかしくありません。
給与振込の口座として利用しているケースでは、毎月一定の金額が自動的に預金されるようなものですし、入金記録を見れば安定して収入があることは容易にわかります。銀行にとって返済能力が申し込みの際により明確にわかる場合は、多少条件が悪いとしても利用しやすかったり、限度額が高めに設定されることもあります。
銀行の審査が厳しい…はウソ!?保証会社のさじ加減!?
しかし、最近まことしやかに「銀行の審査は厳しい!」というのが崩れてきている…との話もあります。どういうことか?というと、どうやら保証会社に関することのようです。
これまで例として出している、4つの銀行のカードローンの保証会社をそれぞれ見てみましょう。
銀行名 | 保証会社 |
---|---|
みずほ銀行 | 株式会社オリエントコーポレーション |
三井住友銀行 | SMBCコンシューマーファイナンス株式会社 |
三菱東京UFJ銀行 | アコム株式会社 |
楽天銀行 | 楽天カード株式会社または 株式会社セディナ |
どの銀行も保証会社を間に立てていて、自分たちの銀行で審査していないことがおわかりでしょうか?
そもそも保証会社とはなんぞや!という方のために簡単に説明しておきますと、保証会社とは保証業務をこの場合は銀行から委託され、銀行の代わりに行う会社のことです。
保証業務は
- カードローンに申し込んだ人の審査
- 返済が滞った場合の債権の回収
が主な業務となります。
後者の債権の回収について補足しておきますと、銀行がお金を貸しても返済しなかった人がいた場合、銀行は貸した分ソンすることになります。しかし保証会社に保証業務を委託していることで、保証会社が返済しなかった分を立て替えて銀行に支払いますので、銀行はソンをすることはないんです。
その代わり債権は保証会社に移り、保証会社が返済しなかった人に対して回収を行う仕組みになっています。銀行はこういった業務を委託でき、ソンをすることがないので保証会社に業務を委託し、保証会社は保証料として利益を得ている、Win-Winな関係なんですね。
審査基準はその保証会社に準ずるため、銀行カードローンでも保証会社が消費者金融だったら、審査基準がそちらに近い可能性も十分に考えられます。以前は銀行のカードローンは審査に時間もかかりましたが、今は非常にスピーディです。そういった背景も保証業務の委託から来ているのかもしれません。
利便性という面でみると、銀行のほうが条件は厳しいと言えそう
利用条件や金利などの、いわゆる貸付条件とは違いますが、利便性という面でも消費者金融と銀行には差があります。ここまで読まれた方からすれば、意外と銀行は融通が利く印象になっているかと思いますが、消費者金融もなかなか負けてはいません。
返済の利便性は消費者金融の方が上。借り入れは同等
お金を借りれば毎月しなければならないこと、返済。この返済という面では銀行に比べると非常に消費者金融の方が融通が利く印象になっています。
メインバンクが別な場合、わざわざその銀行の口座に返済分を振り込んでおかねければならないなど、手間が多くなる可能性があります。
対して消費者金融は自身が預金業務を行っているわけではないため、好きな銀行の口座を指定することが出来ます。普段利用している銀行以外は使いたくない、という方の場合とても便利ですよね。
借り入れに関してはどちらも同等といえるでしょう。提携ATMからの利用など、どちらも利便性は高いです。ただ、銀行によってはATM利用手数料が無料なところもありますので、小さな差ではありますが、銀行のほうがお得になるかもしれません。
即日融資を受けやすいのも消費者金融
できるだけ早くお金を借りたい、という場合は銀行のカードローンよりも消費者金融の方がおすすめです。
最近は銀行のカードローンでも即日で審査の結果を回答してくれるところも増えましたが、まだまだその数は少ないといっていいでしょう。特に銀行の場合、口座を持っていないと口座の開設までに時間がかかり、審査の結果は早く出ても実際利用できるまでに時間がかかってしまうこともあります。
消費者金融は審査のスピードは早くて当たり前、というくらい大手であればすぐに回答が来ますし、銀行よりも審査基準がゆるいのでより確実にお金を借りるなら消費者金融のほうが可能性は高いと言えます。
消費者金融ならではの利便性は「無利息期間」にアリ!
先ほど比較したように、金利は確かに銀行の方がお得なのですが、消費者金融には銀行系カードローンにはほとんどない「無利息期間」があります。
無利息期間とはその名前の通り、一定の期間のみ利息0円でお金を借りることが出来るシステムです。12ヶ月かけて返済する場合、最初の1ヶ月分は利息がかからず、2ヶ月目から利息が発生、最終的には11ヶ月分の利息のみでOK、ということです。
無利息期間を設けている消費者金融及び銀行は以下の4社です。
分類 | 会社名 | 利用限度額 |
---|---|---|
消費者金融 | アコム | 契約日翌日より30日 |
消費者金融 | プロミス | 初回借入日より30日 ポイントサービスにより7・15・30日 |
消費者金融 | ノーローン | 借入日翌日より7日間 完済月の翌月以降最初の借入日翌日より7日間 |
銀行 | レイク | ・契約日翌日より30日間 ・契約日翌日より180日間(借入金額のうち10万円まで) |
レイクは以前消費者金融だったのですが、新生銀行グループになり、銀行系カードローンとして営業しています。銀行系カードローンで唯一の無利息期間があるカードローンではないでしょうか。
無利息期間は確かに金利0円で借りられるのでお得なのですが、返済期間が長くなってしまうと金利が低いほうがどうしてもお得になります。よって、ある程度短期間で完済を目指しているような借り方であれば無利息期間を最大限に利用することが出来ますから、銀行カードローンよりもぐっとお得になると言えます。
銀行にも取引状況によって金利優遇が受けられる
消費者金融のように無利息期間を設けているのはレイクくらいですが、無利息期間の代わりに「金利優遇」を実施している銀行や信用金庫があります。
これは該当する銀行などの取引状況によって金利そのものが引き下げられるシステムです。
- その銀行で住宅ローンを利用している(返済中)
- 銀行口座を給与振込の口座に指定している
- 公共料金の引き落とし口座に指定している
- 定期預金・外貨預金などを利用している
など、銀行によって優遇される金利や条件は違いますが、主に上記のような条件を満たしている場合0.2%~2.0%程度金利が優遇されることがあります。
もちろん実施していない銀行もありますから、事前の調査は必ずしておいたほうがお得です。
大きな違いはなくても、細かい違いはいろいろ。自分に合ったところを探そう!
消費者金融のカードローンと銀行のカードローン、一言で違いを説明するならば「総量規制の対象かどうか」です。それ以外で大きく借り入れの条件などが変わることはありません。
とはいえ、細かい違いは様々なところにあります。銀行に借り入れする条件は消費者金融よりも年齢という縦幅は狭いですが専業主婦でも利用可能という横幅の広さがありますし、金利は銀行の方が低いものの、審査基準は消費者金融に比べると厳しいと思われます。
- より早く、できるだけ確実にお金を借りたい!
- メインバンクのカードローンは希望しない
- 借入期間は短期間なので無利息期間を利用したい
という方は消費者金融のカードローンを、
- 時間はかかってもいいから金利が低いほうがいい
- メインバンクのカードローンを利用したい
- 自身の収入がない、または少ない
という方は銀行のカードローンを利用するのがいいかもしれません。それぞれの違いが、自分にとって「いいもの」かどうかが重要といえるでしょう。
【参考ページはこちら】
銀行借入の事前審査は必要なの?