「元加式」という利息の請求方法をご存じですか?これは、発生した借入利息分が、元金と合計された後に請求される方式のことです。借入利用者は、利息と合計された元金全体に対して返済をしていくことになります。
返済が順調にできていると違いがわかりにくく、借入を利用したことがある方でも、意外と知らないことのある請求方法です。
しかし元加式は、返済が順調にできないと借金が雪だるま式に増える…という一面もありますので、基礎知識として知っておかれることをオススメします。ご紹介していきましょう。
元加式での利息とは?借入利息は元金と合計されて請求!
まずは「元加式」とは何か、基本についてご紹介します。元加式では、借入利息は元金と合計され、その後で請求されることになります。
元加式での利息の流れとは
まずは用語の確認からいきましょう。
利息・・借入というサービスの利用代金。借入金額(元金)を使って計算する。
元金とは、借入した金額のこと。このお金を借りた代金として、利息を支払う必要があります。その利息とは、元金を使って計算されます。
そして「元加式」の場合、利息が元金を使って計算された後、次のような流れで請求されます。
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- 利息が発生した後に、その利息は元金に合計される
- 元金と利息が合計されてから返済請求がくる
- 利息も合計された元金を減らす形で返済する
元金に対して利息がかかるところまでは、ごく普通の借入です。その後、「利息と元金が合計され、その合計元金に対して返済をしていく」という流れが、元加式になります。
元金の残高さえ減らせていればいいので、ある意味、単純でわかりやすい請求方式です。
具体例で見てみよう
元加式とはどんな借入になるのか、具体例で見てみましょう。基本的な借入条件は、次のものとします。
- 元金100万円
- 金利18%
このとき、初回返済時の流れや金額は、次のようになります。
- 元金 「100万円」
- 利息 「1万5,000円」
- 元金と利息の足し算 「元金100万円」+「利息1万5,000円」
利用者へ請求される合計元金 「101万5,000円」
この例の場合、返済初月の合計元金は「101万5,000円」となり、利用者はこの元金に対して返済をすることになります。仮に10万円を返済したとすると、残りの元金は「91万5,000円」となりますね。
それ以降の返済時も同じで、元金に対して発生した利息が、元金と合計されて請求され、利用者は合計元金に対して返済していく流れとなります。
- 元金 91万5,000円
- 利息 1万3,700円
- 元金と利息の足し算 「元金91万5,000円」+「利息1万3,700円」
利用者へ請求される合計元金 「92万8,700円」
2回目の返済時も「10万円」返済した場合、合計元金は「82万8,700円」となります。1カ月後にはこの元金に対して発生した利息が、また元金と合計され、利用者に請求されます。
このように「利息が元金と合計されてから請求される」のが、元加式での利息の支払い方になります。
元加を意外と知らないワケ!返済順調なら違いがわからない!?
元加式とは何か、基本的な流れをご紹介しました。借入経験者でも意外と知らないことがある方式なのですが、それは、返済が順調でさえあれば、元加式でもそうでなくても、違いがわからないからです。元加式の特徴の一つとしてご紹介しましょう。
返済が順調なら違いがない!?
毎月、利息額以上のお金を返済でき、元金まで順調に減らせている状態であれば、元加式と利息別請求式とで、返済結果は同じになります。つまり、返済結果だけ見ていると、違いがわからないのですね。
そうなる理由は、借入のルールにあります。次のようなルールは、元加式でも、そうでなくても共通です。
- 利息は「元金・金利・借入期間」を使って計算する
- 毎月の返済時に利息の支払いが必須
元加式とは、あくまで「利息が発生した後、元金と合計される」というだけの話です。発生する利息は、元加式とそれ以外とで、差はありません。
その上、毎月発生する利息は、毎月必ず支払いが必要です。利息と元金とが別々に請求されるタイプだったとしても、利息の支払いを後回しにして、元金だけを先に返済することはできません。
すると、返済が順調なら、元加式と利息別請求式とで、返済結果は同じになるのです。
具体例を見てみよう
実例で、元加式とそうでない場合とで、返済結果を比べてみましょう。借入条件は先程の通り、元金100万円、金利18%とします。
1カ月後の請求 利息との合計元金「101万5,000円」への返済
10万円返済後の元金「91万5,000円」
【利息別請求】
1カ月後の請求 利息「1万5,000円」の支払い+元金「100万円」への返済
10万円返済時の扱い 100万円-(10万円-1万5,000円)
10万円返済後の元金 「91万5,000円」
元加式とは違い、利息と元金が別々のままで請求されたとしても、支払った金額はまず利息の支払いに充てられます。
つまり、返済金「10万円」はまず利息「1万5千円」の支払いに充てられ、残り「8万5千円」が元金への返済額となるのですから、元金の残りは「91万5千円」となります。
すると、元加式で請求された時と、返済結果が同じだとわかりますね。利息が元金と合計されても、されなくても、結局利息の支払いは毎回必要なのですから、返済結果は同じなのです。
元加式だからといって返済結果は特に変わりませんから、借入経験者の方でも、意外と知らないことがある利息の請求方法です。今日初めて「元加式」を知った方は、ぜひこの機会にご確認ください。
元加が重要になるシーンはココ!返済が止まると利息に利息が発生
返済が順調なら結果は同じということで、「別に知らなくてもいいんじゃないの?」感じた方もおられるでしょう。しかし、元加式ならではの特徴は確かにあります。
元加式は、返済が止まると借入残高が増えやすいという特徴があります。このときばかりは、元加式かどうかで大きな違いが出ます。元加式の重要なポイントです。
返済が止まると利息から利息が発生する!?
「利息が元金と合計される」という元加式は、返済が止まったとき、借金が増えるペースが早くなります。「元金が増える」ところがポイントです。
- 返済ができないと「元金」が勝手に増え始める
- 利息は「元金」を使って計算される
- 「元金に加えられた利息」はすでに「元金」と同じ扱いに
- 利息から利息が発生し始める
元加式により、元金に加えられた利息は、以降、「元金」として扱われます。返済ができなかった場合、つまりは「元金が勝手に増える」わけです。元々自分が借りたお金ではなかったとしても、一度元金と合計された利息は、もう「元金」なのです。
そして、利息は「元金」を使って計算されますから、その翌月、利息が加わり、前より増えた元金を使って、次の利息が計算されます。元金が先月より増えたのですから、利息も先月より増えることになります。
そして、またしても返済が出来なかった場合、利息はまた元金と合計され…という風に、ドンドン元金が膨らみ、利息もドンドン増えていきます。
このように、元加式は一度返済を失敗すると、利息からも次の利息が発生し、借金が雪だるま式に増えやすくなるのです。
実例で比較しよう!
元加式のこのポイントは、元加式ではなかった場合と比べると、明らかです。また「元金100万円、金利18%」の例を使い、毎月の返済に失敗し続けたとき、借金がどのように膨らむのかを比較してみましょう。
時間経過 | 元加式 | 利息別請求式 | 差額 |
---|---|---|---|
1か月目 | 1015,000円 | 1015,000円 | 0円 |
2か月目 | 1030,225円 | 1030,000円 | 225円 |
3か月目 | 1045,678円 | 1045,000円 | 678円 |
4か月目 | 1061,364円 | 1060,000円 | 1,364円 |
5か月目 | 1077,284円 | 1075,000円 | 2,284円 |
6か月目 | 1093,443円 | 1090,000円 | 3,443円 |
利息が別請求式であれば、発生した利息は元金とは関係ありません。毎月一定の利息が借金として溜まっていきます。上記例では、毎月「15,000円」になりますね。
これが元加式になると、毎月の利息が元金に加わり、翌月の利息が増えるため、利息別請求式よりも借金の増え方が激しくなります。時間が経てば経つほど借金が増えるペースは早まり、利息別請求式との差額は開いていきます。
元加式にはこのような特徴もありますから、普段は違いを実感しづらかったとしても、借入基礎として確認されることをオススメします。
返済が不安な人は元加の確認をオススメ!借入前に問い合わせを
元加式についてご紹介してきました。通常返済時は問題なくとも、返済が止まると借金の激増する方法でもありますから、返済が不安な方は借入前に確認しておくことをオススメします。
返済が不安な方は借入先に確認を
元加式の確認を特にオススメするのは、返済に不安がある方です。たとえば次のような方は確認されてはいかがでしょうか?
- 初めて借入する方
- 収入が不安定な方
- 高額・長期間の借入になる方
返済できないと借金が雪だるま式に増え始めますから、初めての借入だったり、収入が不安定だったりと、返済に不安がある中で借入するときは、元加式かどうか確認した方が安心です。
元加式かどうか、これは基本的な借入条件の一つになりますので、借入前に確認できます。次の方法でご確認ください。
- HP記載の借入条件
- コールセンターへの問い合わせ
たとえば、「セブン銀行カードローン」は、元加式であることがHP上に明記されているカードローンです。利息の請求方法がハッキリ書かれていないときは、コールセンターへお問い合わせください。
元加式だったときにオススメの利用方法とは
利息の請求方法が「元加式」だった場合、次のような利用をオススメします。
- なるべく少額ずつ借入する
- お金が足りなくなってから追加借入
ポイントは、一度にガバッと借りないこと。借入額がどうしても足りなければ、また追加で借りることもできます。なるべく少額借入すれば、毎月の利息も少額となり、返済が楽になります。返済が滞りにくくなり、元加式ならではのリスクを減らせます。
以上のような利用をすれば、返済が滞ることも減ります。そして返済さえ滞らなければ、元加式で利息を請求されて困ることはありません。
返済が不安な方は、元加式かどうかを確認の上、上手に借入ください。
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