ローン返済中の車があり、新規借入は難しいかなぁ…とお考えではありませんか?他のローンの利用があると新規借入が難しいのは事実ですが、実はローン中の車があっても、ごく普通に借入できるケースがあります
他のローンがあると新規借入が難しくなるのは、法規制の関係でもあります。しかし、一部のカーローン、そして銀行での借入は法規制の対象外であるため、ローン中の車があっても、普通に借入できる場合があるのです。
ローン返済中の車がある方必見の基礎知識ですよ。詳しくご紹介しましょう。
法規制が原因!他ローンがあると新規借入が難しくなるワケ
ローン返済中の車があっても借入できるケースを知るには、まずは借入に関係している「法規制」を知る必要があります。他のローンがあると、なぜ新規借入が難しくなるのか、そのワケをまずはご確認ください。
個人が借りれる金額は法律で規制されていた!?
個人が借入できる金額は、「総量規制」という法律で規制されていることをご存じですか?借入できる金額は、金融機関や貸金業者が決めているようで、実は法律によって決まってしまうことがあるのです。
総量規制とは、次のような規制になります。
- 個人が借りれるのは、その人の年収の年収の1/3まで
- その人個人が借りたローン金額をすべて合計して計算される
個人が借りれるお金には、「年収の1/3まで」というハッキリした基準があったのですね。しかも、これはその人個人が借りたローンはすべて合計して計算されます。
(⇒総量規制以上借りられるカードローンの探し方)
借りれる?借りれない?法規制のイメージ
どんなときに法規制で借りれなくなるのか、具体例をご紹介しておきましょう。
項目 | Aさん | Bさん |
---|---|---|
年収 | 300万円 | 600万円 |
法律で決められる個人の最大借入額 | 100万円 | 200万円 |
他のローンですでに借入中の金額 | 50万円 | 200万円 |
新規借入できる金額 | 50万円 | 0万円 |
AさんもBさんも、どちらも他社借入がありますが、Aさんはまだ借入できます。Bさんはもう借りれません。違いは、法律で許されている個人の最大借入額と、すでに借りているローン金額のバランスです。
個人が借りれる金額は、年収を3で割れば簡単に計算できますね。その基準額まで、Aさんはまだ「50万円」と余裕がありますが、Bさんは「0万円」と、すでに限界ギリギリまで借りています。
以上のように、年収によって個人が借りれる金額は決められていますから、他ローンがあるほど、普通は新規借入が難しくなるのですね。なにせ「法律」による規制ですから、他のローンがある方は避けられない状態です。(こちらもご参考に→キャッシングと年収の関係)
まずは、このような法規制があることをご確認ください。
一部カーローンは法規制の対象外!新規借入が普通にできる!?
他のローンがあると新規借入が難しくなるのは、法規制によるものだとご紹介しました。では、車のローン返済中でも新規借入できるのは、なぜでしょうか?
理由の一つ目は、一部のカーローンは総量規制の対象外となるためです。そのカーローンとは「自動車担保貸付」です。カーローンがこれであれば、その借入金額は法規制の対象金額として数えられなくなります。
法規制の対象外となるカーローン、「自動車担保貸付」とは
まず、法規制の対象外となるカーローン、「自動車担保貸付」についてご紹介しましょう。自動車担保貸付とは、次のような自動車ローンのことです。
- ローン完済までは自動車が担保扱いとなっている
- ローン完済まではお金の貸し手が自動車の所有者になっている
車のローンが「自動車担保貸付」だった場合、ローンを組んで車を買った直後、実はその車は担保として押さえられている状態です。もちろん、買った車は自分の車として、自由に使えるのですけどね。
ただ、その車の正式な所有者は、車を買うためのお金を貸した「金融機関」や「貸金業者」になっています。お金が返せなくなったら、その車は差し押さえられることになります。自動車ローンとしてはよく見られる形です。
ローンを完済したら、車の所有者が自分になります。このようなローンのことを「自動車担保貸付」と言います。
「自動車担保貸付」での借入額はノーカウントに!?
もし、現在返済中の車のローンが、このような「自動車担保貸付」だった場合、総量規制の対象外となります。
- 「除外」という例外項目の一つ
- 車のローン金額は借入残高としてカウントされない
再び、具体的イメージをご紹介しましょう。
項目 | Aさん | Bさん |
---|---|---|
年収 | 300万円 | 600万円 |
法律で決められる個人の最大借入額 | 100万円 | 200万円 |
「自動車担保貸付」で借りた車のローン金額 | 200万円 | 300万円 |
新規借入できる金額 | 100万円 | 200万円 |
AさんもBさんも車のローンがあり、その金額は総量規制で決められる枠を使い切る金額です。しかし、その「車のローン」が「自動車担保貸付」の場合はノーカウント、つまり「200万円」と「300万円」の車ローンは、総量規制の枠にカウントされません。
つまり法律の基準的には、AさんもBさんも「まだ1万円も借りていない」と判定されるわけです。そのため、それぞれの年収の1/3の額までは、まだ新規借入できます。
このように、車のローンがあっても、それが「自動車担保貸付」なら法規制を受けず、十分に新規借入できるのです。車のローン返済中にお金を新規で借りたくなったら、是非一度、アナタの車のローンが「自動車担保貸付」であるかをご確認ください!
自動車担保貸付であれば、普通に新規借入できる可能性があります!
銀行借入も法規制の対象外!この方法でも新規借入が可能に
一部のカーローンなら法規制の対象にならず、ローン返済中でも新規借入できることをご紹介しました。このケースに加え、もう1つ、ローン返済中でも新規借入できるケースがあります。
銀行は総量規制の対象とならない金融機関ですので、総量規制の対象となるカーローンがあったとしても、銀行で借入を頼めば、新規借入できます。
銀行を選ぶだけで法規制が無効に!?
借入額の規制である「総量規制」ですが、例外は「借入先」にも作られています。「銀行」は総量規制の対象外となるため、法律の規制を受けずに借入ができます。
そのため、銀行では次のような借入ができます。
- 年収の1/3以上の借入
- すでに年収の1/3以上借りている状態での新規借入
総量規制の基本である「年収の1/3まで」という金額の制限がなくなります。そして、すでに他社で年収の1/3以上の金額を借りている状態で、新規借入することもできます。
このように、銀行は「そもそも総量規制の対象から外れている金融機関だ」ということを、ぜひご確認ください。(こちらもご参考に→総量いっぱい借りててもまだ借りられる?)
どんな自動車ローンがあっても新規借入できる!?
つまり銀行を選べば、それだけで、車のローン返済中でも新規借入できるのです。
- 車のローンの種類は関係なし!
- 車のローン金額も関係なし!
「銀行」という借入先自体が総量規制の対象外となっていますから、話は非常に単純です。車のローンがどんな種類であっても、車のローン金額がいくらであっても、法律の制限は受けません。銀行を選ぶだけで、新規借入できる可能性があります。
たとえば、次のような状態でも、問題なし!
項目 | Aさん | Bさん |
---|---|---|
年収 | 300万円 | 600万円 |
法律で決められる個人の最大借入額 | 100万円 | 200万円 |
車のローン金額 | 200万円 | 200万円 |
新規借入できる金額(総量規制基準) | 0万円 | 0万円 |
今回の例では、本来、AさんもBさんも新規借入はできません。車のローンが「自動車担保貸付」でなかった場合、その借入金額は総量規制の金額としてカウントされます。法律で許された借入枠を使い切ってしまえば、借金を返すまでは新規借入できません。
しかし、銀行で借入を申し込めば、AさんもBさんも借りれる可能性があるわけです。車のローンの種類も金額も関係なく、審査を受けられるからですね。
車のローンが「自動車担保貸付」ではなかった場合などは、銀行で借入を申し込みください。それだけで、新規借入できるようになります。
審査通過は普通に必要!車のローンの返済状況は特に注意を
車のローン返済中でも、一部のケースでは普通に新規借入できることをご紹介しました。しかし一点だけ、最後に注意点をご紹介しておきましょう。
法規制の対象にならなかったとしても、借入先の審査に落ちた場合は新規借入できません。借入審査を通過できることは、ごく普通に必要です。現在返済中のローンがある場合、返済状況は特に注意されることをオススメします。
「法律の規制」と「借入先の審査」は別物!
「法律の規制」と「借入先の審査」の関係について、一度整理しておきましょう。次の法則をご覧ください。
- 法規制に引っかかると100%借りれない
- 法規制は問題なくても、審査に受かるとは限らない
- 法規制に問題なく、審査にも受かれば借りれる
法律の規制に引っかかる場合、借入審査には落ちますが、それだけが審査基準ではありません。法律の規制と借入審査は、本来別物です。
審査に受かるには、「お金を貸してもいい」と、銀行に思ってもらう必要があります。それができない場合、法律的には問題なくても、審査に落とされることになります。
つまり、今回ご紹介した「車のローンが『自動車担保貸付』」や、「銀行で借入を頼む」といった条件に当てはまり、法律上は新規借入できる状態だったとしても、審査に受かるための対策は普通に必要ということです。
審査対策はお忘れなく!車のローン返済状況に特にご注意を
審査に受かるための対策とは、どんなものでしょうか?「安定収入」や「仕事の有無」などの基本的な対策は、すでにご存じの方が多いかと思います。そこで、ここでは特に「車のローンの返済状況」に注意されることをオススメします。
- 他のローンの返済歴は必ずチェックされている
- 返済歴は記録に残っているため、確認は簡単
- 返済ミスがあると新規借入が難しくなる
他のローンの返済歴は、新規借入審査での重要チェック項目です。その車ローンがどんなものでも、返済歴は必ずチェックされています。
このとき、返済ミスが度々記録されていると、「これ以上お金を借りたら返せなくなる人かも…」と思われやすくなり、たとえ法律上は問題ない状態だったとしても、審査に落とされやすくなります。
車のローン返済中でも新規借入できるチャンスが、車のローンの返済ミスで潰れてしまっては無念ですよね。車のローンは毎月必ず、忘れずにご返済ください。
以上の基礎知識を活用すれば、車のローン返済中でも、新規借入できるようになりますよ。車のローンがあるけど新規借入もしたいときに、ぜひお役立てください。
【参考ページはこちら】
自動車の購入はディーラーローン以外がおすすめ?