消費者金融でお金を借りた経験、ありませんか? 一度使うと便利さが実感できて、生活の中で上手に利用する人が増えている時代です。
対して、銀行でお金を借りたい人もまだまだ多いですよね。キャッシングやカードローン、魅力的な商品が揃えられています。ところが、「消費者金融で借りたことがあると、銀行の融資の審査に落ちる」という噂もあるのです。
これは本当なのでしょうか?金融機関に関わる金融者の考え方はどうなのでしょう?噂の真偽を検証してみましょう。
詳しく知りたい!銀行と消費者金融の違い
お金を借りる側からすれば、銀行と消費者金融の違いはあまり関係ないことも多いですね。とにかく借りられれば問題はないわけですので、その考え方も分かります。
しかし、それらの業務、特に審査に関わる金融者からすれば、そんなに漠然とした考えでは困ると思うことでしょう。銀行と消費者金融は、しっかりした違いがあります。
銀行も消費者金融も、どちらもお金を借りられる機関です。その性質の違いを把握しておくことにより、金融者がどんなことを基準に審査をしているのかが見えて来るかもしれません。
消費者金融の性質とは?シンプルかつスピーディ!
消費者金融はお金を融資することに特化した金融機関であり、貸金業と呼ばれます。お金を貸す、返す、というシンプルな業務形態ですが、金融関連の業界では、かなりの勢力を持っていると言えるでしょう。
CMや雑誌広告も盛んで、キャッチーなフレーズや親しみやすい構成の宣伝内容が有名です。宣伝によって業界のイメージアップを行い、敬遠されがちだったお金の貸し借りを、気軽にできるようにしたことは大きな功績でしょう。
銀行は多業務!堅実で腰を据えた業種です
対して、銀行はお堅いイメージがつきまといがちです。テレビドラマなどでも、出て来る金融者はちょっと怖そうな人が多いかも? もっとも、現実ではもっと優しい人が多いはずですが……。
とはいえ、そのようなお堅いイメージがあるのは、やはり多様な業務をこなすことが関係しているでしょう。個人向けのカードローンだけではなく、会社の資本金を求める人、個人向けでも住宅ローンなどの大型融資を求める人……と様々です。
何より、銀行が取り扱うお金は基本的に顧客の預金です。そう考えれば、カードローンなどの申し込みに時間がかかることも納得でしょう。
消費者金融と銀行の審査の違い!
銀行のカードローン審査は厳しいと言われています。確かに申し込みから融資まで時間がかかり、消費者金融とは少し違う性質を持っていることが予想できますよね。
(⇒キャッシングの審査基準)
金融機関 | 審査の速度 | 金利 |
---|---|---|
消費者金融 | 最短即日 | やや高め |
銀行 | 低め | 数日~数週間(即日もあり) |
このように簡単に比較しただけで、消費者金融と銀行の違いは浮き彫りになります。こう見ると、多少金利は高いものの、消費者金融の人気がある理由が分かるような気がしませんか?
では、銀行の金融者は、こういった違いを持つ消費者金融をどのように見ているのでしょうか。特に気になるのは、消費者金融の利用履歴がある人が銀行に申し込みをした際に、金融者が行う審査で不利になるかどうかということです。
消費者金融で借りても銀行で借りられる?疑問を解消!
消費者金融を利用した人が、銀行のカードローン商品などに申し込む場合、気を付けなければいけないことがいくつかあります。その中でも特に気になるのが、申し込み時点での借り入れ額です。
あまりにも他の金融機関からの借り入れ総額が多い場合、銀行としては、審査の時点でいい顔をするわけにはいかないでしょう。
- 現在、他金融機関からの借り入れはあるか
- あるとしたらどの程度の金額か
- 年収に対して借り入れ額が多すぎることはないか
審査で重要視される項目の中に、この三つがあります。これらの項目は実に重要で、金融者が最も注目すると言っても過言ではないでしょう。
年収に対する借り入れ額は?総量規制に注目!
年収と借り入れ額のバランスは重要です。あなたは現在、銀行以外からの金融機関からお金を借りていませんか? その金額が年収の三分の一に迫っているのなら、銀行の融資を受けることはかなり難しいと考えられます。
- 借り入れは年収の三分の一まで
- 高額融資は収入証明書を必要とする
この総量規制は、融資を受ける利用者が、返済に困って破産などを選択しないようにするために設けられています。多くの金額を融通したい人には不評ですが、利用者保護の法律と言って良いでしょう。
総量規制の適用は?銀行は関係なし!
この総量規制、実は銀行には全く関係ありません。つまり、年収の三分の一に達していようと、銀行に融資を申し込むことは可能なのです。
総量規制は消費者金融をはじめとする、貸金業と呼ばれる業種に適用されるものです。銀行は貸金業法でないので、総量規制の対象外となっています。
ただ、あなたが銀行で審査を行う金融者ならどうですか? 既に総量規制に近い借り入れをしている人に、新たな融資を行う気になれるでしょうか? もちろん、そんな気にはなれませんよね。
銀行の審査で大切なのは?信用情報を徹底チェック!
では、銀行の審査で重要なことを見てみましょう。金融者は大抵、下記のようなことをチェックしています。
- 氏名、年齢、住所
- 年収
- 勤務先
- 勤続年数
- 他金融機関からの借り入れ額
- 過去の金融トラブルの有無
勤務先や勤続年数をチェックするのは、返済能力を測るためです。長年同じ会社に勤めている人は、収入も安定しているとみなされ、返済もスムーズにいくことが期待できるでしょう。対して、勤務期間が数ヶ月にも満たない場合は少し信頼度が低くなるようです。
他に重要なのは他金融機関からの借り入れです。過去に借り入れ経験がある場合、返済時などのトラブルを起こしたりしていないか? ということも見られます。
信用情報機関で分かる!あなたの過去の融資履歴
トラブルなどの情報は、申込者本人が自己申告するわけではありません。しても良いのですが、明らかに心象が悪くなるようなことを申告する人はいませんよね。
信用情報機関は数種類ありますが、消費者金融で借りた人の情報は、以下の機関で見ることができます。
機関 | 加盟数 | 情報保有数 |
---|---|---|
シー・アイ・シー | 1358社 | 9715万件 |
日本信用情報機構 | 1056社 | 5億万件以上 |
銀行に融資の申し込みをすると、審査をする金融者はこれらの機関に問い合わせを行い、申込者の情報をチェックします。ここで望ましくない情報を発見すると、審査に大きな影響が出ることは間違いありません。
信用情報の重要さは?僅かな傷でも大きな影響!
信用情報で気を付けたいことは、過去の返済関連のトラブルです。延滞してしまった、強制解約になってしまったなど、原因は様々ですが、ここであなたの信用が測られます。
もちろん、全く問題ないのであれば構いませんが、もしかすると「一回だけ返済に遅れてしまった」という記憶はありませんか? 確かに、大したことのないように思える平凡なミスです。ましてや、たったの一回なら大丈夫だろう、と思いたくなりますよね。
他の金融機関からの借り入れが多すぎて、という理由の他に、この「ただ一回だけの」レベルの信用の小さな傷が、審査の通過を不可能にした可能性がありますね。
信用回復が先決!借り入れと返済をしっかりと!
信用情報機関に登録された情報は、一定期間は消去されません。返済完了などの問題のない情報なら気になりませんが、返済トラブルの情報が残っている人は気になりますよね。
ブラック内容 | 消去までの期間 |
---|---|
申し込みブラック | 6ヶ月 |
返済遅延 | 5年程度 |
強制解約 | 5年~7年程度 |
債務整理 | 7年程度 |
自己破産 | 7年~10年程度 |
トラブルの内容と情報保存期間は、どの信用情報機関でも、おおむねこの程度だと言われています。同時期に何社も申し込んでしまう「申し込みブラック」は、トラブルの中でも一番軽いものとして扱われていますが、それでも消えるまでは半年かかります。
このように、軽い気持ちで一度だけ返済に遅れただけでも、年単位で情報が残ってしまいます。どんなに少ない回数でも、金融者が審査で問題視することは疑いようがありません。
遅延は避ける!一番のコツ!
まだ銀行の融資に申し込んでいない人で、消費者金融への返済を行っている人は、今借りているお金を返しきるまで、絶対に返済遅延をしないように心掛けた方が良いでしょう。
毎月決まった日に返済するという簡単なことを繰り返していれば、あなたの信用は高まり、銀行での審査にも良い影響が出るでしょう。良い結果を得るために、ぜひ頑張って下さいね!
【参考ページはこちら】
銀行の借入審査をクリアするために大切なこと