私達がお金を借りようとした時に、思いつく貸金業者の候補の種類は、主に銀行か消費者金融のどちらかでしょう。そして、それぞれの大手企業と中小企業を含めた4種類から借り入れしたい場所を決めることが多いです。
消費者金融は、銀行に比べて、審査で求められる条件が緩いので、借り入れの希望額が小さく、ちょっとした時に気軽に利用する目的で使われ、銀行はその逆に、大型ローン契約などの、ある程度まとまった金額の借り入れで利用されます。
今回は、そんな銀行と消費者金融の利用目的の違いと、個人の借り入れで損をしないための借り入れ候補の選び方を解説していきます。
消費者金融を私達が一番賢く利用出来るのはどんな時?
銀行と消費者金融の借り入れを比較する前に、まずは消費者金融を一番効率よく利用することが出来るのはどんな時なのかを知っておきましょう。
消費者金融は、契約を申し込んでからお金を使えるようになるまでの期間が非常に短いのが特徴です。しかも、定額の借り入れの場合、金利は消費者金融・銀行の両者とも、法定上限である18%~20%ギリギリのため、早く借り入れ出来る分、消費者金融のほうが向いているのです。
消費者金融のほうが全ての借り入れ利用帯において金利が高いと思っている人が多いのですが、実際にはそうではありません。100万円未満の借り入れでは、両者の金利の差は殆ど無く、短期返済を行う場合では、実際に支払う利息は数百円程度しか変わらないのです。
消費者金融で100万円以上借りない方がいいの?
定額の借り入れでは消費者金融のほうが利便性の優れ、審査の手間なども簡略化できるので、賢い使い方であるのは知ってもらえたと思います。
では、高額の借り入れになった場合、消費者金融を利用するのは避けたほうがいいのかという点について解説していきたいと思います。ここでは、具体的な例として、利息制限法で金利上限が変わる100万円を基準に、高額借り入れかそうでないかを判別しています。
消費者金融と銀行の金利面でも差が一番色濃く表れるのがこの部分です。100万円を超える借り入れになると、銀行も消費者金融も審査の質が変わります。
両者とも収入の証明が必要になるケースが多く、銀行の場合、それ以外にも求められる条件が追加されます。金利は銀行のほうが有利になることが多いです。
借り入れ額が大きく、返済も必然的に長期化しやすいので、金利の恩恵が大きくなってきます。したがって、高額借り入れでは、「いかに簡単に借り入れが出来るか」ということよりも、「いかに返済完了までの負担を小さく出来るか」ということの方に重点が置かれるのです。
結論としては、消費者金融で100万円以上借りるぐらいなら、多少審査が厳しくても銀行借り入れを利用したほうが結果的に得になるということです。
短期間の借り入れを繰り返すなら消費者金融のほうが得なの?
では次に、借り入れの方法について考えていきましょう。先程までは、借り入れの合計額が100万円以上か未満かでどちらがいいのかを考えましたが、ここからは、借り入れの仕方について考えます。
消費者金融を利用する人は、ちょっとした金額を借りては返してというように、ごく短期間(借り入れから返済まで1ヶ月以内)の利用を繰り返す使い方をしている人が大多数と言われています。
銀行は反対に、まとまった金額をドサッと借りて、少しずつ返済していくという方法をとっている人が多いです。この2つの違いは、極端に言ってしまえば、金利が違うからです。
金利認識の誤解と銀行借り入れの先入観の問題
ところで、100万円以下の借り入れにおいて、消費者金融も銀行も金利では、そう大差ないと先述しました。なのに、こうした短期なら消費者金融、長期なら銀行というように、利用者が大きく偏っているのは何故なのかという疑問が湧いてきます。
実は、利用者の多くは、消費者金融と銀行が「低額の借り入れにおいて金利がほとんど変わらない」という事実をよく知らないのです。なんとなく、銀行のほうが審査に厳しくて金利が低そうだと感じているのです。
その指摘はある意味間違っていません。確かに、銀行の方が審査が厳しく評価されるのが事実です。しかしそれは、借り入れ額が一定基準を超えた後の話です。100万円未満の借り入れの場合、金利も審査内容も消費者金融の銀行では殆ど変わらないのが実情なのです。
銀行が消費者金融と最も大きく違う点は審査基準にあった!
銀行と消費者金融は、借り入れ額が小さいと、金利も審査の内容も大差ないということですが、では何処が一番大きく違うのかというと、「高額借り入れになった時の審査の内容」です。
審査の内容というより、審査基準がそもそも違います。消費者金融の場合、高額借り入れになった際に、今まで本人確認書類だけで借り入れを許可していたところから、収入の証明が必要になったというだけに過ぎません。
一方、銀行の場合、消費者金融と同じように少額の借り入れでは本人確認書類だけで借り入れが可能なのですが、そこには既に前提として、安定的、かつ継続的な収入があるということを含んでおり、高額借り入れになった時に、それに加えて複数の審査項目が追加されるという認識のほうが正しいです。
銀行の審査では何が重要になるの?
借り入れ額が大きい銀行の審査は、収入だけあっても通るとは限りません。むしろ、継続的な収入があるというのは、あって当たり前であり、これすら満たせないと、そもそも借り入れ自体ができないことが多いです。(こちらもご参考に→キャッシングの借入金額についてもっと詳しく!)
重要になるのは、収入以外の部分です。銀行は、審査において、業者ごとに独自に基準を設けています。多くの銀行が重視しているのは、「他社からの借り入れ状況」と「過去の返済実績」の2つです。他にも細々している審査項目がたくさんあるのですが、ここでは割愛します。
それらは銀行ごとに重視する度合いも違いますし、数が多いので全て取り上げると混乱してしまいます。しかし、上記の2つだけは、どの銀行であっても無視できないものであり、必ず審査に関わってくるものです。
ここからは、この2つの項目が審査に与える影響について解説していきます。特に銀行の借り入れでは、消費者金融の審査以上に、他社からの借り入れと返済実績というものは、慎重に評価されるものだということを知っておきましょう。
銀行での個人借り入れをするなら絶対に知っておきたいこと!
銀行の借り入れを利用するのであれば、審査の際に何が最も重視されるのかということを知っておいて損はありません。銀行審査の三本柱は「収入の安定性・他社の債務状況・過去の返済実績」の3点です。
この中で、簡単に評価を上げることが出来るのは、他社の債務状況です。これは、銀行の借り入れを申し込んだ時に、他の銀行や消費者金融といった貸金業者にどの程度の債務があるかということです。
この基準は、一般的な大手銀行の借り入れを目安としています。中小、または地方銀行の借り入れの場合、この基準は若干緩くなります。しかし、いずれにしろ、他の4社以上の金融機関から借金がある場合、新たに借り入れ出来る可能性は極めて低くなるでしょう。
返済実績はどうやって高評価になるの?
銀行は契約の前に、私達契約者が過去にどんな金融取引をしてきたかということを「信用情報機関」という個人情報を扱っている場所に問い合わせます。どの貸金業者も例外はなく、審査の際には必ずこの行程を経ていると考えてください。
この情報の重要性が銀行では高く、特に金融事故と言われる延滞や債務整理の情報に敏感です。過去5年以内にこれらの情報があった場合、殆どの銀行では契約者がどれだけの収入があろうと、他の借り入れが一切なかろうと、審査に通らなくなります。
消費者金融の方が得なケースと銀行の方が得なケースの違い
最後にまとめとして、「こんな人なら消費者金融を利用したほうが得」、「こんな人なら銀行にした方がいい」というような、具体的なケースを挙げて、使い分けの例を紹介します。
それと同時に、過去に金融事故を起こしてしまった場合、銀行でも借り入れという選択肢自体がなくなってしまうので、ブラックでも借りることが出来ると言われる合法な中小消費者金融を利用することになります。
銀行を利用した方がいい人は、代表的なのは100万円以上を一度に借りようとしている人です。特に300万円以上の借り入れでは、消費者金融の金利とはかなり差がついてきます。高額の借り入れになればなるほど、銀行の方が得できるでしょう。
また、借り入れ契約をする銀行の口座を持っている人であれば、返済の時に自動引き落としを利用できることがあるので、給料の振込口座と同じ口座にすることで、返済の手間や手数料を省くことが出来ます。
どちらを利用する場合でも、自分に合った方を選択するために、きちんとした自己分析が重要になります。それさえ肝に銘じておけば、金利で大きく損をしたり、審査に落ちることを最小限にすることが出来ます。
【参考ページはこちら】
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