お金を借りたいと思った時、借入先に選べる場所は多くあります。銀行から借入をしてもいいですし、消費者金融から借入をすることも可能です。
ですが、審査に通らないと、どこからも借りることができませんよね。だったら、審査に通りやすいところに申し込みをしたい、誰もがそう思うのではないでしょうか。では、銀行と消費者金融だったら、みなさんはどちらが審査が厳しいと思われますか?
おそらく、多くの方が銀行と答えるのではないかと思います。それは本当なのか気になるところですが、実は事実なのです。
では、なぜ銀行の審査の方が厳しいと言えるのか、銀行の借入金審査と消費者金融の借入金審査を、徹底比較してみましょう!(こちらもご参考に→キャッシングの審査基準を教えて!)
銀行の借入金審査が厳しいのは金利と利用限度額の影響です
銀行からの借入の特徴として、下記の2つがよく言われます。
- 金利が低い
- 利用限度額が高い
実は、この2つが銀行の借入金審査を厳しくしている理由です。では、そう言える理由を確認しましょう。
金利が低い銀行は融資したお金を確実に回収する必要があります!
銀行の商品は、消費者金融の商品と比べて金利が低めに設定されているものが多くなっています。実際に比較してみると、下記のようになっています。大手消費者金融の商品はカードローン形式となっているので、銀行もカードローン商品で比較しています。
まずは、消費者金融の金利です。
消費者金融名 | 金利 |
---|---|
アイフル | 4.5%~18.0% |
アコム | 4.7%~18.0% |
ノーローン | 4.9%~18.0% |
プロミス | 4.5%~17.8% |
モビット | 3.0%~18.0% |
次に、銀行の金利をいくつか見てみましょう。
銀行名 | 金利 |
---|---|
イオン銀行 | 3.8%~13.8% |
みずほ銀行 | 4.0%~14.0% |
三井住友銀行 | 4.0%~14.5% |
三菱東京UFJ銀行 | 4.6%~14.6% |
じぶん銀行 | 2.4%~17.5% |
ジャパンネット銀行 | 2.5%~18.0% |
両者を比較してみると、大手消費者金融の上限の金利はプロミスが17.8%でその他は全て18.0%となっています。銀行ではジャパンネット銀行が18.0%ですが、その他の銀行はいずれも大手消費者金融よりも上限の金利が低くなっています。
また、下限の金利を見ると、大手消費者金融ではモビットがかなり低い金利を提示していますが、それ以外では銀行と同程度か銀行よりも高い金利となっています。
金利が低いということは、利益が出にくいことを意味しています。ということは、金利が低いほど、貸したお金を確実に回収しないと経営に影響がでやすいわけですね。
そこで、銀行は審査を念入りに行って、確実に返してくれるだろうと判断できる人にだけお金を貸しているのです。
大口融資は信用が高い人にしかできません!
また、最大利用限度額に関しても、銀行の方が審査が厳しくなる理由があります。では、両者の最大利用限度額を比較してみましょう。
(⇒キャッシングの限度額はどうなってる?)
大手消費者金融の利用限度額は、以下の通りです。
消費者金融名 | 最大利用限度額 |
---|---|
アイフル | 500万円 |
アコム | 500万円 |
ノーローン | 300万円 |
プロミス | 500万円 |
モビット | 800万円 |
では、銀行の商品はどうなのか、見てみましょう。
銀行名 | 最大利用限度額 |
---|---|
イオン銀行 | 800万円 |
みずほ銀行 | 1,000万円 |
三井住友銀行 | 800万円 |
三菱東京UFJ銀行 | 500万円 |
じぶん銀行 | 800万円 |
ジャパンネット銀行 | 1,000万円 |
このように、銀行の商品の中には消費者金融と同じくらいの利用限度額のところもありますが、多くの銀行の商品で大手消費者金融より利用限度額が高くなっています。
中にはみずほ銀行やジャパンネット銀行のように1,000万円までとかなりの大口融資のところもありますね。
つまり、銀行の商品は、信用度が高い人に向けて用意されているものだとも言えます。だから、審査が厳し目になるんですね。
保証会社としての消費者金融の審査は自社で融資する時より厳しい
ここまで見て来た、商品の特徴とは別の視点から、銀行の方が審査が厳しくなる理由を見ていきましょう。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、銀行のカードローンやフリーローンの多くは、消費者金融や信販会社が保証会社となっています。
実は、消費者金融は、自社で融資をする時よりも、保証会社として審査をする時の方が厳しく審査を行います。
自社で融資する場合とは、消費者金融が自分の会社から直接お金を貸し出す場合を言います。それに対して、保証会社としてというのは、自分の会社でお金を貸すのではなく、お金を貸す銀行の保証会社となる場合を言います。
では、なぜそのような形になっているのか、保証会社となる場合に消費者金融の審査が自社で融資をする時よりも厳しくなる理由は何か、詳しく確認しましょう。
銀行が消費者金融に保証を依頼するのはノウハウがないから
銀行も、昔からお金を貸し出す業務を行っていましたが、それはマイカーローンや住宅ローンなど、担保を元にお金を貸す内容でした。ですが、カードローンは担保を用意する必要が無く、借入をする人の信用を元にお金を貸す商品です。
そういった業務に慣れておらず、ノウハウがない銀行の場合、審査がきちんとできなければ貸したお金を回収できない可能性もありますよね。そこで考えたのが、そういった業務に慣れている消費者金融や信販会社に審査を任せることです。
当然のことながら、融資するお金は銀行が出しています。そこで、損が出ないように、保証会社に保証料を払うことで審査を依頼し、きちんとチェックしてもらう方法を取っているわけです。
保証会社になるより自社で融資する方が利益が大きい!
実は、消費者金融からすれば、自分の会社でお金を貸した方が得なんです。なぜかと言うと、自社で融資を行った場合、利息は全て消費者金融の利益となるからです。
ですが、保証会社となった場合、消費者金融が得られる利益は保証料のみです。
それなのに、万が一消費者金融が保証会社となっている銀行の商品を利用した人が返済をしなかった場合、求められれば消費者金融が借入をした人に代わって銀行に返済を行う決まりになっています。ちなみに、これを代位弁済と言います。
もちろん、消費者金融がそれを被るわけではなく、借入をした人は今度は銀行ではなく消費者金融に返済を続けていくのですが、督促などをする手間もかかりますし、借入をした人が自己破産などをした場合、回収できない可能性もあるのです。
となると、その危険性を避けるために、保証会社という立場で審査をする場合、消費者金融の審査は自社で貸す時よりも厳し目になるのです。そのため、銀行の借入金審査の方が、消費者金融の審査よりも厳しくなるという側面もあります。
実際の審査の通過率は、下記の通りだという調査があります。
- 消費者金融の審査の通過率…40%程度
- 銀行のカードローンの審査の通過率…20%~30%程度
実際に、審査の通過率に差が出ていることがわかりますね。
銀行の商品別、保証会社の紹介
では、本当に銀行は消費者金融や信販会社に保証を依頼しているのか、いくつかの銀行を例に挙げて保証会社がどこになっているのかを見てみましょう。
銀行名 | 保証会社 |
---|---|
イオン銀行 | イオンクレジットサービス(株)かオリックス・クレジット(株) |
みずほ銀行 | 株式会社オリエントコーポレーション |
三井住友銀行 | SMBCコンシューマーファイナンス(プロミス系) |
三菱東京UFJ銀行 | アコム(株) |
じぶん銀行 | アコム(株) | ジャパンネット銀行 | SMBCコンシューマーファイナンス |
このように、銀行は消費者金融や信販会社に保証を依頼しています。そうなると、消費者金融や信販会社は、あまり高くない保証料のために危険をおかすことはできないので、自社でお金を貸す時よりも厳しく審査をすることになります。
専業主婦の場合は例外!銀行からの方が借りやすい理由とは
ここまで、消費者金融よりも銀行の方が借入金審査が厳しいことを確認してきました。しかし、実は、専業主婦の場合は例外で、銀行からの方が借りやすいんです。
なぜかというと、消費者金融と銀行は、別々の法律に従って融資を行っているからです。
では、詳しく見ていきましょう。
消費者金融は貸金業法、銀行は銀行法に従います
消費者金融は、分類上貸金業者なので、貸金業法に従って融資を行っています。一方、銀行は銀行法に従って融資を行います。従う法律が違うことで、融資の条件に大きな差が出ています。
貸金業者に分類される消費者金融がお金を貸す場合、貸し付け金額の制限に関するルールである、総量規制の影響を受けます。総量規制とは、融資を受ける人の年収に対して融資できる金額を制限する決まりです。
具体的に言えば、消費者金融では、借入をする人の年収の3分の1を超える金額の融資はできないという内容です。
逆に考えれば、総量規制の影響を受けない銀行からは、理論上は年収に対しての制限なく借り入れができるんですね。ですが、実際のところ、銀行も返してもらえないお金は貸しませんので、だいたい年収の3分の1を目安にして融資を行っていると言われています。
ただし、専業主婦に関しては、借入を制限していません。そのため、専業主婦が利用できる商品を持っている銀行も多くなっています。とはいえ、詳しい方なら、総量規制には例外があり、配偶者の収入を元に借入をする方法もあることをご存知かもしれません。
だったら、専業主婦でも消費者金融からも借りられるのではないかと思われるかもしれませんが、その際には配偶者の同意が必要なので、多くの消費者金融は専業主婦を融資の対象としていないのが現状です。
大手消費者金融はいずれも専業主婦を対象外としています
では、本当に消費者金融が専業主婦を融資の対象としていないのか、確認しましょう。大手消費者金融の、専業主婦に対する融資に関する記述を確認したいと思います。
消費者金融名 | 専業主婦に関する記述内容 |
---|---|
アイフル | 専業主婦はパートやアルバイトが決まれば申し込める |
アコム | 安定収入・返済能力があれば主婦でも申し込める |
ノーローン | パートやアルバイト、内職などの安定収入がある人は申し込める |
プロミス | 仕事をしていれば主婦でも申し込める |
モビット | 定期的な安定収入がある人のみ申し込める |
どの消費者金融を見ても、何らかの形で収入を得ていることが借入の条件になっていますね。中堅や小規模の消費者金融の場合、配偶者の収入を元に借入ができるとしているところも無くはないのですが、多くのところが本人に収入があることを借入の条件としています。
そのため、専業主婦の人は、消費者金融だと借入金審査には通らないと思った方がいいでしょう。
銀行カードローンには専業主婦対象と明記されているものも!
では、銀行のカードローンは本当に専業主婦でも融資の対象となっているのか、確認してみましょう。
これは一例ですが、下記のような銀行が、専業主婦が借入できる商品を持っています。1つの銀行がいくつもの商品を提供している場合もあるのですが、その中で専業主婦でも借入ができるものをいくつか紹介します。
銀行名 | 商品名 | 専業主婦について |
---|---|---|
イオン銀行 | カードローンBIG | 利用限度額50万円以内が条件 |
みずほ銀行 | カードローン | 利用限度額30万円以内が条件 |
三菱東京UFJ銀行 | バンクイック | 利用限度額30万円以内が条件 |
ジャパンネット銀行 | ネットキャッシング | 配偶者に安定収入があれば可 |
楽天銀行 | 楽天銀行スーパーローン | 利用限度額50万円以内が条件 |
楽天銀行の場合、利用限度額の制限と合わせて、利用できる年齢も正社員が62歳までなのに対して専業主婦は60歳までという条件もあります。ですが、これらの銀行のように、専業主婦でも融資対象となっている銀行は多くあります。
融資の対象となっていなければ、借入金審査を受けても意味がありませんよね。そのため、まずは融資の対象となっている商品を探すことが大切です。
専業主婦が借入金審査を受けるなら銀行で!
以上のように、専業主婦が借入金審査を受けたい場合は、銀行の商品の中でも専業主婦でも利用可能と明記されているものを選びましょう。
そうすれば、配偶者の収入を元にお金を貸してもらうことができます。
専業主婦以外が借入金審査を受ける場合は銀行の方が厳しい!
以上のことから、専業主婦が借入金審査を受ける場合を除いて、下記の理由で銀行で審査受ける方が審査が厳しいと言えます。
- 銀行の方が消費者金融より金利が低い
- 銀行の方が消費者金融より最大利用限度額が高い
- 消費者金融が銀行の保証会社になる場合自社で融資をするより審査が厳しくなる
- 専業主婦は総量規制の影響を受けない銀行の方が借りやすい
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