やむにやまれぬ事情で、どうしても生活保護を受けなければ辛い人もいることでしょう。国に保証された制度だから、困った時は頼って下さい。
でも、支給されるお金は最低限。どんなに生活が苦しくてもやって来る冠婚葬祭や、急なアクシデントで余分なお金が必要になるかもしれないですよね。
そんな時、生活保護を受けている人は、お金を借りたり、返済に保護費を当てて大丈夫なのでしょうか。最悪のケース、自己破産についても同時に考えてみましょう。
生活保護を受ける条件!借金についてはどうなっているのか
生活保護を受けている人は、基本的にお金に困っている人が多いと思われます。制度を利用する人の事情はそれぞれですが、お金について考えると、皆さん同じように不安になってしまうかもしれません。
- 健康で文化的な最低限度の生活を保障する目的
- その自立を援助する目的
生活保護の目的はこの二点が基本で、支給される生活保護費は各自の条件によって異なっています。また、無職に限らず、就職していても生活保護を受けることが可能です。
就職していても生活保護が受けられるということは、社会的な身分は安定しているということに繋がります。また、お給料も入るということですね。お給料では足りない金額を、生活保護の制度で補うというシステムです。
生活保護を受ける時、借金があってもOKなのか
生活保護を受けようかどうかを考えている人たちの多くが、共通して悩むことがあります。「借金があっても生活保護を受けられるのだろうか」ということです。
かなり流動的な判断が為されており、一概には言えません。お住まいの自治体に確認してみることが一番良いでしょう。うまくいけば、そのまま申請手続きに入れるかもしれませんよ。
生活保護を受けてからの借金は?自治体に確認を
借金があっては生活保護を受けられないかもしれない、という可能性に、生活保護と借金の相性が悪いことが予想できます。しかし、様々なケースを考えると、それこそ借りられてもおかしくないケースがあるのではないでしょうか。
例えば、消費者金融でお金を借りる時は、以下のような審査項目が存在します。
- 氏名、年齢
- 住所
- 年収
- 職業
- 勤続年数
審査の内容によっては、生活保護を受けていても、借りる条件が満たされるケースがあると考えられます。「生活保護でもお金を借りることは可能な条件が発生する」という考え方が正しいのかもしれません。
借りられる?生活保護中のキャッシング
生活保護中にお金を借りられる可能性があることが分かりましたが、また色々と考えることが出て来るのではないでしょうか。特に生活保護を受けているということを隠している人としては、公的に記録に残るキャッシングなどはしにくいかもしれません。
キャッシング会社としても、生活保護の人にお金を貸すことは、社会的な目線を意識し、躊躇う可能性があります。しかし、返済する意思と当てがあるのなら、生活保護を受けていても、申し込んでみる価値があるかもしれませんね。
ちょっと待った!あなたの自治体での対応は
ただ、自治体によっては、生活保護中の人がキャッシングなどでお金を借りることに、難色を示すかもしれません。特に生活保護申請者が多い自治体では、細かい部分もチェックされる可能性が高いです。
- 保護費を返済に充てられたくない
- 自立を阻む原因になる
このふたつの理由をもとに、生活保護中の借金は望ましくないという判断を下されるかもしれません。返済は自分で稼いだ分で行うと言っても、証明するのも中々難しいですよね。ますます自治体は反対しそうです。
借りるなら沈黙が吉ということ
保護費を返済に充てる予定がなくても、疑いを持たれてしまうかもしれません。そうなっては切りがない応酬をしなくてはいけなくなりそうです。
そんな不毛な応酬をするくらいなら、借り入れそのものを黙っていておいた方が良いでしょう。黙っているからと言って違法というわけではありませんし、保護費を返済に充てなければ何ら問題はありません。
とはいえ、黙っていることが重荷になるのであれば、やはり先に自治体に相談してみるべきではないでしょうか。お金のことはとても重要です。一人で考え込みすぎず、頼れるシステムはどんどん頼るべきですよ。
自己破産はできる?メリットとデメリット
生活保護中、お金を借りていた人も、もしかすると返済が厳しくなってしまうかもしれません。すぐに建て直せればいいのですが、中々それも難しい状況が考えられます。
そんな時に脳裏をよぎるのが、自己破産という究極の選択肢です。
項目 | 内容 |
---|---|
メリット | 全ての債務の支払いが免除される 給料の差し押さえ等がなくなる 一定の財産は残せる |
デメリット | 最大10年間新規借り入れができない 官報に名前が載る 一定期間特定の職業に就けない |
全く無一文になるわけではないので、究極まで困ったら自己破産を選択する人が多いのも頷けます。もちろんデメリットは享受しなければいけませんが、借金で首が回らない状況が続くよりはマシと言えるでしょう。
それでは、生活保護を受けていても、自己破産はできるのでしょうか。やはり普通の人とは少し違う立場ですので、できるかどうかが気になりますよね。
自己破産はできる!諦めないで交渉しよう
生活保護中の自己破産は、結論から言ってしまえば可能です。ただし、自己破産に至るまでの経緯や理由によっては、行政に嫌がられる場合があることを覚悟しておかなければいけません。
もちろんそうではないとしても、言われる可能性はあると思って下さい。そこはとにかく我慢をするしかありません。もっとも、自己破産にならないよう、気を付けてキャッシングをすることが一番重要と言えますね。
手続はプロにお任せ!弁護士さんに相談しよう
自己破産など、債務整理の手続きは、思った以上に複雑で面倒なものです。素人でもできないことはないのですが、プロにお願いしてしまった方が確実と言えるでしょう。
法律により、手続き中は滞納している借金の返済の取り立てが不可能になります。精神衛生的にも落ち着きますよね。取り立ては思った以上のストレスになりがちです。
少しでも早く落ち着きを取り戻すため、やはり、手早く片付けてくれる弁護士さんに頼むことが最善ですよ。多少の手数料はかかりますが、支払方法などは相談に乗ってくれますので、まずは話だけでもしてみてはいかがでしょうか。
生活保護申請の前に債務整理を!
まだ生活保護を受けていない人の中に、借金を抱えている人もいることでしょう。借金があっても生活保護を受けることが可能だと説明しましたが、自己破産をしない限り、返済はついて回ります。
生活保護を受けながら仕事をし、借金を返済できればいいのですが、やむにやまれぬ事情によって、それもままならない状態で生活保護を考えている人は、抱えている借金をどうすれば良いのか悩んでしまうのではないでしょうか。
そんな時にお勧めするのが、生活保護を申請する前に、債務整理を行ってしまうことです。特に、返済の必要がなくなる自己破産が最も適していると考えられます。やはり弁護士さんに相談すると良いでしょう。
- 弁護士に相談・依頼
- 弁護士から債権者に債務整理通知
- 債権者からの取り立てが止まる
- 自己破産申し立て
- 自己破産成立
以上が一連の流れになります。かなり早い段階で、借金の取り立てが不可能になることが分かりますね。無理に取り立てに来る業者は罰せられます。
自己破産が成立したら、今度は生活保護を申請しましょう。10年程度はキャッシングなどができませんが、その間は生活保護でゆっくりと生活を立て直し、再びの自立を目指しておきたいものです。
借金はどこまでOK?コントロールできる範囲で!
生活保護中は、自由に使えるお金がかなり減ることが考えられます。稼いだお金で借金の返済をすると、もう生活がいっぱいいっぱいという人もいるのではないでしょうか。
そんなことになっては大損です。信用情報は、お金の世界では一種の財産です。うまく保護費をやりくりし、借金は自分の収入でコントロールできるだけの金額を心掛けましょう。
何かと心配が多い生活保護ですが、知識があればきちんとしたお金のやり取りができますよ。できることから頑張っていきましょう。
【参考ページはこちら】
生活保護者が借金したら支給停止になる?