奈良にある南都銀行は、資本金290億超の中堅銀行です。この南都銀行は、個人の利用者向けに貸金業も営んでおり、利用者の大多数が主に2つのサービスを使っています。
1つが「E-PACK」というカードローンです。複数の利用金額上限から任意の1つを選択し、その範囲内であれば、何度でも借り入れと返済を繰り返し利用できる典型的なカードローンです。
もう1つが「キャッシュクイック」というカードローンです。こちらは10万円から300万円の限度額を審査で決定する方式のカードローンです。申し込みからカード発行までの時間が短いので、すぐに資金が必要な時に向いています。
今回は両者のサービスの特徴を比較し、どちらを利用するのが良いのかについて考察していきます。
E-PACKを利用するならどの金額が良いのか
南都銀行の借入を利用するなら実質これ一択と言って良いほど利用されているのが、E-PACKです。契約申込時に20万円・50万円・70万円・100万円・200万円・300万円の限度額の中から1つを選択して契約するカードローンであり、一見すると通常のカードローンと大差ないように思えます。
この商品の最大の特徴は、当銀行の他のサービスとの併用によって、金利を他銀行のカードローンよりもかなり低く抑えられる点です。代表的な例を挙げると、ポイントサークルのサービスを併用し、公共料金の引き落とし口座に指定し、同時に給与振込口座も何銀行の口座にすることで、金利を引き下げることが出来ます。
カードローンの性質である、借り入れ金額に反比例して金利が下がるという特徴も健在です。しかし、こちらは後述する審査難易度の変化に影響があるので、自分が必要な金額さえ借りることが出来れば、特にたくさん借りる必要性というものはありません。
E-PACKの審査は特殊?利用金額によって大きく変わる審査難易度
カードローンは通常、借り入れ金額が小さい場合はほとんど審査らしい審査はなく、金額は100万円を超えて初めて審査が厳しくなってくるという金融業者が多いのですが、南都銀行のカードローン審査はそれに比べて少し特殊です。(こちらもご参考に→審査に通りやすい安心の会社を見つけるには?)
南都銀行のE-PACKは、50万円の契約からかなり厳しい審査をクリアする必要があります。はっきり言って、通常の銀行カードローンよりも、審査が厳しくなる金額帯が低いです。
その内容としては、3年以上の勤務実績を問われるのが50万円以上のカードローンであるということです。継続した収入が証明できるのは当然として、一定期間以上の勤続年数が必要なカードローンの場合、金利はかなり低くなるのが通例ですが、50万円のE-PACKで年利13%は、審査内容に対して決して低金利とはいえません。
このカードローンを利用する場合は、20万円型を利用するか、もしくは先述した南都銀行の他のサービスを併用し金利を引き下げたうえで利用しないと、厳しい審査を受けるデメリットと釣り合わないと筆者は考えます。
E-PACKは20万円型と50万円以上の型では商品の性格が大きく変わるのです。
口座を持ってなくても利用できるキャッシュクイックとは
南都銀行で借入したい人が利用するもう一つのサービスが、この「キャッシュクイック」です。こちらはさきほどのE-PACKとはちょうど逆の特徴を持っているサービスです。
利用可能金額は10万円~300万円の間で、厳密に型として決まっているわけではなく、審査によって細かい額が決まります。クイックという名称からも分かる通り、契約を申し込んでから審査が終わるまでの時間が短く、要求される条件も緩くなります。
ただし、どの金額帯であってもE-PACKに比べて金利が高く、返済は約定日決済ではなく、サイクル型と言われる「一定日数ごとに決まった額を返済する」というものです。南都銀行のサイクルは35日のため、単純計算で毎月4~5日ずつ返済日がズレていく点に注意が必要です。
消費者金融よりキャッシュクイックを利用したほうが得?
キャッシュクイックの形式を見ると、ほとんど消費者金融と同じだと分かります。来店不要の点もそうだし、返済に全国のATMが使える点もそうです。だとすれば、より審査が簡単が消費者金融を使ったほうが良いのではないかと考える人もいると思います。
一概にどちらが良いとはいえませんが、金利に重点を置いて候補を選んでいるのであれば、キャッシュクイックの年利14,95%というのは、消費者金融より大幅に低いので、こちらを利用したほうが得になります。
一方、収入などの返済能力に加えて、在籍確認などの審査もあるため、借り入れにかかる手間や難易度はキャッシュクイックのほうが上です。金利は多少高くてもいいからとにかく簡単に借りたいというニーズの場合は、消費者金融を利用した方が目的に合っているでしょう。
借り入れするときは毎月の最低返済金額を見落とすな!
複数の借り入れプランを見比べる時に、意外と見落とされがちなのが、毎月の最低返済金額です。金利や審査といった「借りる候補を選ぶために必要な情報」は誰でもきちんと調べるのですが、いざ契約をした後、返済する段階になって重要な情報を事前に見ていなかったという人が意外と多いのです。
例えば、今回取り上げた南都銀行の2つの借り入れプランである「E-PACK」と「キャッシュクイック」の例ですが、キャッシュクイックの返済金額は現在借り入れしている金額が10万円・20万円・30万円という区切りごとに3000円・6000円・9000円以上と指定されています。
しかし、E-PACKは最低利用帯の20万円型であっても、債務残高にかかわらず、毎月の返済額は1万円となっています。つまり、キャッシュクイックよりもE-PACKの方が毎月の返済額の負担が大きいということなのです。
金利だけで選ばないほうが良いケースとは?
このように、金利だけで選べばE-PACKの方が有利ですが、返済できなくなるリスクも考えるとキャッシュクイックを利用した方がいい人もいるのです。
私たちは、カードローンなどの債務商品を選ぶ時、どうしても金利を最優先にして選んでしまう傾向があります。それは金利というものが、直接私達が支払うコストに関係してくる要素であり、どの金融業者でも金利が低いことをアピールしていることが多く、目につきやすい比較要素となっているからです。
(⇒カードローンの利息についてもっと詳しく!)
金利はたしかに重要なファクターです。しかし、それだけにとらわれるのではなく、
南都銀行で借り入れするなら!金額別カードローン使い分け
最後に、南都銀行で借り入れを考えているのであれば、結局のところどうやって利用するものを分ければ良いのかについて、解説していきます。
キャッシュクイックが利用できるのは10万円からとなっているので、20万円も借りなくていい場合は、無条件でキャッシュクイックを利用したほうが良くなります。多少金利で優っていても、不要な分の借り入れをすると金利で大きく損をすることになります。
E-PACKは50万円以上で審査が厳しくなるため、勤続年数などの条件が満たせない場合も「キャッシュクイック」を利用することになります。南都銀行に口座を作る気がない場合も同様です。
200万円以上の借り入れを希望している場合、E-PACKは通常よりも更に厳しい審査を受けなくてはならず、このケースであれば、別の貸金業者を用したほうが良くなります。大手銀行のほうが審査が緩くなることがあります。
それ以外の場合では、勤続年数を満たしている場合なら全てE-PACKを利用した方がいいでしょう。キャッシュクイックの位置づけとしては、E-PACKを何らかの事情で利用できない時のバックアッププランとして考えるべきです。
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