単利と複利、なんだかややこしそうですが、どなたでも一度くらいは耳にしたことがある単語ですよね。これは利息の付き方の種類を意味しています。
カードローンなどの利息計算は企業にお任せですから、普通はこんなこと知らなくても問題はありません。しかし、ただひとつだけ知っておいた方がいい理由があります。
それは延滞に関すること。延滞を軽く考える方は多いのですが、延滞すると急に負担が増えてしまうのは、実はこの利息の付き方とも深く関わっているのです。
(⇒カードローンの利息についてもっと詳しく!)
カードローンは単利だった!利息計算の基本をマスターしよう!
タンリとかフクリって、聞いたことはあってもその意味をイマイチよく知らない用語のひとつではないでしょうか?
でも思ったほど複雑な話ではなく、誰にも必要な知識のひとつなのです。少なくともカードローンを借りるのなら、頭に入れておいて絶対に損のない用語です。
元本に利息がかかるのが単利
単利の方が解りやすいので、まずはこちらからご説明します。その前に、基本の利息計算をマスターしておきましょう。
まず利息計算に必要なのは、以下の3要素であることを頭に入れておいてください。この内のどれかひとつが欠けても、利息計算はできません。
- 元本
- 金利(通常は年利)
- 借入期間(通常は日数)
ではこの3つを使って、実際に利息額を計算してみましょう。
元本 × 金利 × 借入期間
但し金利は通常百分率ですので、18%なら0.18を掛け算します。
元本 × 年利 × 借入日数/365日
これで、借入日数分にかかる利息額が計算できました。3日分なら3日分、10日分なら10日分の利息が、この計算式で算出できます。算出した利息額に元本を添えて返済すれば、これで無事完済ということになります。
カードローンの利息は単利計算されている
この式で注目していただきたいのは、元本に金利を掛けて利息を算出していることです。これが単利です。元本のみから利息を算出するのが、単利の特徴なのです。
でもこれってどこかで見たことのある計算式だと思いませんか?実はこれは一般のカードローン利息の計算式です。つまりカードローンの利息は単利で計算されているんですね。
でもカードローンの返済は「好きな日数借りて一括返済」という形にはなっていません(そうしても構わないのですが)。一般的には、下のような返済方法をとることが普通です。
カードローンの毎月の返済額は無理のない金額なので、どなたでも楽に返済できているはずです。これがもし月末に一括返済しなければならないシステムだったとしたら、とても恐ろしくて借りれませんよね。
カードローンはリボルビング方式
このようなカードローン独特の返済方式が、リボルビング方式と言われるものです。ちょっとややこしいのですが、月々の返済があった後、実は毎回このように4段階に渡る計算がなされています。
②約定返済額から先ず1ヶ月分の利息を支払う
③その残りを元本の返済に充てる
④その残高を元に新たな利息を計算する
(②に戻って繰り返し)
①と④を見て頂くと、利息は必ず元本を元に算出されていることが解って頂けるでしょう。②で返済額から利息分の支払いは済んでいますから、④の残高には元本しか残っていません。これがカードローンが単利である証拠なのです。
リボルビング返済は計算はちょっとややこしいのですが、その分返済はとても楽です。もしも毎回利息を端数まで返さなくてはならないとしたら、かなり面倒なことになるでしょう。コンビニATMでお札を入金するだけで済むのは、カードローンがこの返済方式をとっているからなのです。
複利ってナニ?カードローン延滞で利息が膨らむカラクリ
単利は元本から利息を算出する方法でした。では複利とはどういうものなのでしょうか?複利は、元本だけではなく利息にも利息がついてしまう計算方法です。当然ながら、単利よりも利息総額は嵩むことになります。
カードローンは単利計算ですが、実はある状況では複利になってしまうことがあるのです。利息で苦しまないためには、こうならないようにしなくてはなりません。
延滞すると利息に利息がかかる複利になる!
普通に返済していれば、カードローンが複利になることは絶対にありません。先程の①から④の計算方法がずっと繰り返されるだけなので、返済完了まで利息は毎回元本を元にして算出されていきます。
複利になってしまうのは、入金しないまま返済期日を超えてしまった場合、つまり延滞したときなのです。
普通は返済すれば、1ヶ月分の利息はスッキリ清算されますが、延滞するとこれがそのまま持ち越されてしまいます。つまり利息の算出は今後以下のようになるはずです。
元本だけでなく、利息にも利息がかかっているのが分かるでしょう。これが複利なのです。「一回延滞したくらいではどうってことない」と思う方は多いのですが、このように延滞前と延滞後では、利息のかかり方が変わっているんですね。
加えて遅延損害金も払う必要がある
しかもこれだけでは済みません。延滞した場合、更に支払うべきお金が発生します。それが遅延損害金です。計算式はカードローンの単利計算と同じ。利率は借入先によって異なりますが、20%が上限です。
これも別途支払わなくてはならないため、返済額はより多額になります。このように延滞を境にして、返済の負担は一気に急増し、一層返済が難しくなってしまうのです。
単利で返済するのが一番!カードローンのお得な利用術
延滞は単利が複利になる重大な境目。「ちょっと返し忘れただけ」では済まないことが解って頂けたと思います。
そうならないためには、毎回普通に返済をこなすことが一番。これならずっと単利のままです。また返済をきちんとこなすための秘訣や、更にもっとお得にカードローンを利用する方法もあるんですよ。
期日を厳守する返済方法が一番お得!
カードローンをお得に利用するには、返済期日を守るのが一番です。1日でも遅れないようにすることが、利息を最小限にすることに最も役立ちます。でも忘れないよう気をつけるだけでは十分ではありません。そこで返済忘れを防ぐ方法をご紹介しましょう。
- お知らせメールサービスを利用する
- ATMでの入金ではなく、銀行引落しで返済する
銀行からの引落しは絶対に間違いのない方法ですが、肝心の銀行口座が残高不足にならないようにしてください。
返済日のお知らせは、大手企業ではほぼどこでも実施しているサービスです。もちろん無料ですので、必ず登録をしておくことをお薦めします。
随意返済はもっとお得な返済方法
約定返済だけでなく、もっとお得なのが随意返済(追加返済)です。カードローンでは好きな時に好きなだけ返済できるようになっており、しかもこれは全て元本に充当されます。つまり随意返済すればするほど返済が早く進み、利息も効果的に減らすことができます。
- 約定返済 = 元本と利息に充当
- 随意返済 = 元本に充当
複利の雪だるま式ってどういうこと?違法業者にご注意!
さてここまでは普通のカードローンについてのご説明でしたが、最後に「怖い複利」のこともご紹介しておきたいと思います。
複利計算が、単利計算よりも利息が高くなることは解って頂けたと思いますが、ヤミ金を利用して利息がより短期間に膨れ上がることを、雪だるま式と言います。これがどういうものなのか、詳しくご説明しましょう。
ヤミ金は返済期間が短期でしかも複利
一般のカードローンと違って、ヤミ金はそもそも利息の設定から異なります。
【登録業者】1年に○% → 【違法業者】10日間に○割、1週間に○%、2週間に○割
「トイチ」と言われるのは10日で1割の金利を意味していますが、これを年利換算すると実にとんでもない数字になります。当然ながら違法です。
このような業者はリボルビング式ではなく一括返済が基本ですから、10日後に元本と利息を全額返済することになります。でも10日で返せる人は少なく、すると次は20日後、30日後ということに。
これが単利なら、利息として元本の1割が10日毎に加算されていくことになります。
- 10日後に返す場合 【元本+利息】
- 20日後に返す場合 【元本+利息】+【元本】の1割
ところがこれが複利になると、こうなります。利息が元本に組み込まれていくため、利息額は増える一方。違法業者は大抵この方式をとっています。
- 10日後に返す場合 【元本+利息】
- 20日後に返す場合 【元本+利息】+【元本と利息】の1割
このように早いピッチで利息が膨らんでいくので、雪だるま式というんですね。しかし違法業者で借りない限り、一般の方はこのような恐ろしい複利とは無縁です。
一般のカードローンは延滞すると一時的に複利になりますが、このように返済額が膨らむまで放置されることは考えられません。やっぱり何かあっても安心な登録業者から借りるのが一番ですね。
【参考ページはこちら】
レイクは無利息期間でも追加借入ができる?