昔に比べ、自分一人で仕事を行う『個人事業主』が増えてきました。法人と違って起業の敷居は低いものの、事業を自分で行う以上は、やっぱり資金はたくさん欲しいですよね?
そうなると、真っ先に頼りたいのは銀行です。大手企業なら銀行からものすごい金額を借りられますが、個人事業主の場合はどうでしょうか?銀行も規模が小さいと、貸し渋りをしやすいのは事実です。
ただし、個人事業主だから無理とも言い切れません。銀行から融資を受けるなら、コツを知ることがまずは大切です。そのコツについて、今回はしっかり伝授していきます。
基本は借りにくい?個人事業主によくある融資の悩み
まず伝えておきたいこととは、個人事業主は融資審査で不利になりやすく、お金の工面も簡単ではないという事実です。
その理由については、主に以下のようになります。
- 仕事が不安定
- 収入も安定しにくく固定されにくい
- 会社員と違って勤務実態が掴みにくい
融資審査で有利なのは、『安定した職業(公務員など)』に就いていて、『十分な収入を長期的にもらえる』立場の人です。それで考えると、個人事業主で双方を備える人は一握りでしょう。
(⇒キャッシングしやすい職業とは?)
自由な働き方で注目を集める個人事業主ですが、実態は良いことばかりではありません。今回説明する資金繰りもそうですが、安易に独立する前に、融資なしでもしばらくは耐えられる資金が欲しいでしょう。
それを踏まえた上で、『個人事業主でも融資を受けられるコツ』というのをチェックしていきます。
結局はコレ!?返済能力があれば融資審査には通る!
個人事業主は『審査に通りにくい』ものの、『絶対に審査に通過しない』わけでもありません。融資審査は職業によって有利不利こそあるものの、最終的に大切なことは変わりません。
例え個人事業主であっても、借りたお金を返せる能力があれば審査に通過しますし、これは銀行以外のあらゆる融資で変わりません。
その返済能力の定義については、以下のようになります。
- 収入をきちんと証明できるか
- 仕事はちゃんと行っているか
- 今まで融資の返済を怠っていないか
融資審査ではこれら全てを加味して、お金を貸すかどうかを判断しています。形はどうであれ、お金を返せる人に貸したら利益になりますから、実は審査方針はシンプルなのが分かりますね。
ただ、個人事業主は収入と仕事の証明が難しく、事前知識が必要でしょう。
これ一つでOK?個人事業主は確定申告の控えを保管しよう
個人事業主が収入と仕事の証明を行うなら、確定申告の控えが提出書類として最適であり、これは毎年新しいものを保管しておきべきです。
「確定申告って何?」と今まで会社員をしていたら疑問に思いますので、融資審査のためにも軽く知っておきましょう。
確定申告とは、会社に通勤していない人が行う税金の申告です。これを行うことで払いすぎは還付され、不足分は後日徴収されます。この時に手に入る書類の控えは、融資審査で極めて有用性が高いです。
確定申告だけでは融資審査に役立ちませんが、この時の書類の控えには、自分の総収入と手取りの一年分が記載されており、さらに税務署のハンコもあるので信用性が高いのです。
これ一枚出すことで収入は伝わりますし、収入があるなら仕事もしている証明になりますよね?確定申告はしなくて良いケースもありますが、個人事業主が資金繰りするのなら、絶対に行うべきでしょう。
案外簡単?普通のカードローンなら個人事業主でも楽勝!
個人事業主が銀行から借り入れるといっても、その方法は多種多様で、もしも「カードローンでも構わない」というのなら、比較的簡単に借りられるでしょう。
なぜカードローンなら簡単なのかといえば、以下のような理由があるからです。
- 小口融資は多くの人に提供しているから
- 収入が少ない人でも低めの限度額なら借りられるから
- アルバイトなどの非正規社員でも借りられるから
借りやすいのも魅力的なカードローンですが、それに加えて『限度額内なら欲しい時に欲しいだけ、好きなタイミングで借りられる』のも嬉しいですね。
お金が不足しやすい個人事業主ならば、カードローンを補助として一枚は持ちたい…のですが、注意点もあります。知らないで作ると、後から困るくらい大事なことです。
事業には使えない!?カードローンの意外な注意点
個人事業主がカードローンを作るなら、私生活だけでなく事業にも使いたいですよね?しかし、それなら以下の点に気をつけましょう。
もうちょっと具体的に書いていきます。
・風邪を引いた際に医療費が足りなかった場合
・報酬支払いが遅れて生活費が足りない場合
・個人的に使うもので購入費用が足りない場合
・事業でしか使わない製品を購入する場合
・設備投資費用に使う場合
・仕事関係の旅費に使う場合
このように、『個人事業主の私生活を支えるための利用』なら問題ありませんが、『事業主の仕事に直接関係する費用』はNGです。普通のカードローンを作るなら、より一層私生活と仕事の資金を分けておきましょう。
個人事業主に特化した融資を使ってみよう!
個人事業主が大きく増えたというのは最初に触れましたが、そうなると個人事業主向けにサービス展開すれば、銀行などの融資業者は利益を得られますよね?だから、個人事業主をターゲットにしたサービスもあります。
金融業者によっては、『個人事業主専用』と明記したプランを用意しており、該当する人しか使えない代わりに相応の利点があります。
- 事業主特化なので職業による有利不利がない
- 事業用途に使えるお金を貸してくれる
- 個人事業主ならではの相談がしやすい
どれも魅力的な利点ですが、『個人事業主の相談に乗ってくれやすい』のは大きな魅力です。会社員と法人の中間のような立場だと、なかなか相談できる場所もないので、利用したいなら先に話をしておきましょう。
また、個人事業主向けの融資といっても、その方法は様々です。次項にて融資プランの紹介をしていくので、自分に合った方法を見つけましょう。
(⇒事業資金を借りる方法で審査が甘いのは?)
種類も豊富?個人事業主向けの融資方法一覧
個人事業主向けの融資方法を記載すると、以下のようになります。
・担保なしで事業向けの融資を受けられる
・金利や限度額のバランスが良く使いやすい
・融資の度に審査が必要になる
・担保なしで事業でも使えるカードローン
・事業で起きる咄嗟の出費に素早く対応可能
・限度額や金利が今一つ
・担保を用意して事業資金を借りるローン
・限度額や金利に大きく優れ、高額な事業資金も安定して用意できる
・担保になる価値が高いものが必要になる
全体的に、簡単に借りられるほど金利や限度額面で劣り、借りにくいほど低金利かつ高限度額になるでしょう。
もちろん、複数の融資方法を使い分けても良いので、自分にとって都合が良いプランを選んでくださいね。
個人事業主なら絶対に返済を滞らせたくない理由とは?
以上のように、個人事業主でも融資を受けるなら様々な選択肢、そしてコツがありますが、どんな融資を使う場合でも気をつけたいことがあります。
「業績も良くなったから設備投資をしよう!」と考えた時に、過去に返済に遅れていると、いくら稼いでいても融資を受けられません。一日くらいなら…なんて思うかもしれませんが、そのいい加減さを銀行は見逃さないでしょう。
しかし、逆に融資を受けても毎回返済していれば、その実績を銀行は評価してくれます。そうすると事業か個人の用途に関わらず借りやすくなり、今後も安定した資金の元で運営していけるでしょう。
借りたお金をきっちり返すという当たり前のことは、不安定な個人事業主では簡単なようで難しいです。返済が遅れないように計画を立てつつ、借入先と良い関係を築いてくださいね。
【参考ページはこちら】
審査無しで借入できるところはあるの?